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スリランカ民主社会主義共和国に対する無償資金協力(一般プロジェクト無償資金協力「アヌラダプラ教育病院整備計画」及びノン・プロジェクト無償資金協力)に関する書簡の交換について

平成20年5月13日

  1. 我が国政府は、スリランカ民主社会主義共和国政府による民族問題の政治的解決に向けた取組を後押ししていくことが重要と考えており、今般、同国政府に対し、総額31億300万円におよぶ下記の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月13日(火曜日)(現地時間同日)、同国のコロンボにおいて、我が方荒木喜代志駐スリランカ国大使と先方ジャヤスンドラ財務・計画省次官(Dr. P. B. Jayasundera, Secretary, Ministry of Finance and Planning) との間で行われた。

    (1)アヌラダプラ教育病院整備計画(供与限度額:18億300万円(平成20年度:2600万円、平成21年度:4億9100万円、平成22年度:12億8600万円))
    The Project for Improvement of Anuradhapura Teaching Hospital

    (2)ノン・プロジェクト無償資金協力(供与額:13億円)

  2. (1)アヌラダプラ教育病院整備計画

    (イ)本計画の内容

     スリランカ国保健省がアヌラダプラ教育病院の外来棟(外来部門、産婦人科手術部門、小児及び新生児ICU等)等の施設建設及び関連医療機材の整備を実施するために必要な資金を供与する。

    (ロ)本計画の必要性

     スリランカ国における保健状況は、無料の医療サービスが末端まで普及していることもあり、同じGNIレベルの国々と比べても比較的良好であるが、地域間格差は大きく、本件対象地域である北中央州では、乳幼児死亡率や5歳未満児死亡率は全国の州の中で最も高い数値となっている。
     アヌラダプラ教育病院は、北中央州唯一の3次医療施設であるが、同州の下位医療施設には専門外来がなく、外科手術や帝王切開は対応不可能な状態であることから、アヌラダプラ教育病院に患者が集中し大変混雑している。他方、アヌラダプラ教育病院は、1958年に設立されたため老朽化が激しく、また、患者及び医療従事者の動線が錯綜しているなど、3次医療施設として備えておくべき専門医療サービスが施設、機材の未整備のために十分に行えない状況にある。
     このような背景の下、スリランカ政府は、アヌラダプラ教育病院の外来部門サービスの充実や異常分娩対応施設の充実等を図ることを目的とした施設及び機材整備に係る無償資金協力を要請してきたものである。

    (ハ)本計画の効果

    • 外来患者への対応能力が向上し、年間約20万件の専門外来患者数が増加する。
    • 産婦人科手術部において質の高いサービスが提供可能となるとともに、年間約6700件の産婦人科の手術件数が増加する。
    • 新生児及び小児への集中治療の安全性が高まるとともに、質の高いサービスが可能となり、新生児ICUの病床占有率が現在の156%から減少し、年間約250人の小児ICU患者が増加する。

    (2)ノン・プロジェクト無償資金協力

    (イ)本計画の内容

     スリランカの経済改革のための努力を支援するもので、スリランカ政府が経済改革の推進に必要な商品を輸入するための代金の支払いのために使用される。

    (ロ)本計画の必要性

     スリランカの輸出総額は69億ドル、輸入総額は103億ドルで、大幅な貿易赤字となっている。特に、輸入総額の20%を占めている石油の価格高騰は同国の外貨準備高に深刻な影響を与えている。 スリランカ政府は、「10カ年国家開発計画」を策定し、貧困削減、地域間格差是正等を進めている他、市場経済システムを基礎とした経済成長により貧困削減を目指し、国内産業の高度化や外国直接投資の促進を重視した経済改革を行っている。
     同国政府は、このような取組に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (ハ)本計画の効果

     我が国の支援により、スリランカ民主社会主義共和国における貧困削減及び開発に貢献することが期待される。

(参考)

  1. スリランカ国は、面積約65,607万平方キロメートル、人口1,967万人(2005年)、人口1人当たりのGDP約1,355米ドル(2006年)である。
  2. プロジェクト位置図(アヌラダプラ教育病院整備計画)(添付1)(PDF)PDF
  3. 案件概念図(アヌラダプラ教育病院整備計画)(添付2)(PDF)PDF

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