国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

中国の「人材育成奨学計画」に対する無償資金協力について

平成20年5月7日

  1. 我が国政府は、中華人民共和国政府に対し、「人材育成奨学計画」の実施に資することを目的として、総額5億7,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、5月7日(水曜日)、東京において、我が方高村正彦外務大臣と先方陳徳銘・商務部長 (Mr. CHEN Deming, Minister for Commerce)との間で行われた。
  2. 計画の概要は次のとおりである。

    (イ)本計画の内容

    • 本計画は、中央政府等の若手行政官最大48名が、日本の大学院において、法律、公共政策、経済、経営、国際関係の分野で学位取得等を目的として留学するのに対して必要な経費を支援するものである。なお、我が国は、人材育成支援無償資金協力((参考)参照)を活用して、アジア地域の開発途上国の若手行政官等を対象として人材育成奨学計画を支援している。
    • 本計画により日本に留学する行政官は、平成20年度に募集が行われ、平成21年度から2年に亘り留学することになる。供与限度額は、4年度に亘り最大で5億7,700万円である。

    (ロ)本計画の必要性と効果

    • 中国は、改革・開放政策の進展に伴い、沿海部を中心にめざましい発展を遂げており、2001年12月にはWTO(世界貿易機関)に加盟し、公平・公正な国際ルールのもとで対外経済関係を構築することを課題としている。
    • このような中、中国政府にとって、市場における経済秩序の維持、経済関係法令の整備とその着実な実施、違法行為の取締り、財政・金融・投資・税制等の諸分野における制度改革が課題となっている。
    • このような状況の下、中国政府は、「人材育成奨学計画」を策定し、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたところ、我が国政府は、本件協力は相互理解の増進にも資することを考慮して、実施することとしたものである。
  3. 本計画の実施により育成される人材が、将来、各分野のリーダーとして中国の抱える諸問題の解決に貢献するとともに、今後の日中両国間の政府レベルでの相互理解の増進に資することが期待される。

(参考)

  1. 人材育成支援無償資金協力は、途上国の社会・経済開発に関わり、将来、指導的役割を果たすことが期待される若手行政官等に対する、我が国における学位取得を通じた人材育成事業を支援するための無償資金協力である。個人の資質向上ではなく、途上国の発展を支援することを目的としており、本事業を通じて我が国に留学した者は修了後、本国の中央省庁や地方自治体等に戻り、留学を通じて学んだ技術や知識を当該国の発展のために活用する。これまで、東南アジアや中央アジアの開発途上国を中心に実施してきている。
  2. 中国は、約960万平方キロメートルのアジア一の国土と、約13億人の世界一の人口を有し、56の民族(うち約92%が漢民族)からなる多民族国家である。「改革・開放政策」の下、著しい経済的発展を遂げており近年2桁台の経済成長率を達成している(2006年は10.4%(中国国家統計局))。一人当たりのGNI(国民総所得)は約2,000ドル(2006年・世銀)の低中所得国であるが、農業・農村問題、水や大気の汚染等の環境問題、ガバナンスの強化、近年発展の目覚ましい都市と農村間の経済格差といった多くの課題も抱えている。
  3. 人材育成奨学計画による訪日者数(別添(PDF)PDF

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