平成19年11月29日
- 我が国政府は、ルーマニア政府に対し、国立現代美術館視聴覚機材整備計画を実施するために(the project for the Improvement of Audio-Visual Equipment of National Museum of Contemporary Art)、3,880万円を限度とする額の一般文化無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が11月29日(木曜日)(現地時間、同日)、ブカレストにおいて、我が方 津嶋 冠治駐ルーマニア大使と先方 アントン・ニクレスク外務次官(Mr.Anton Niculescu, Secretary of State, Ministry of Foreign Affairs of Romania)との間で行われた。
- 国立現代美術館は、体制転換後に議会宮殿(注)に設立されたこともあり、常に表現の自由、芸術の自由な発言を意識した活動をおこなっており、芸術文化振興の拠点の一つとなっている。同美術館としては、通常の現代美術の展示に留まらず、出版・広報活動等の拡充や現代美術の展示・発表等を効果的に実施していきたいと考えているが、十分な機材を有していない状況にある。このため、同美術館の既存資料のデータベース化、広報活動、芸術作品の制作・発表・展示等に係る機材が必要であり、ルーマニア政府は、今回我が国政府に対して一般文化無償資金協力を要請してきたものである。
- 今回の協力を通じ、ルーマニアの現代美術、芸術家の育成に貢献するとともに、同美術館が今後、首都ブカレストにおける今後の日本の文化事業等を実施する上での協力パートナーとなることが期待できる。更に、我が国政府がこのようにルーマニアの文化振興に貢献することは、同国における我が国に対する好印象を強めるという長期的効果を生み出すことが期待される。
(注)チャウシェスク政権時代に建設が開始された巨大な建物。かつては「国民の館」として知られていたが、現在は上・下両院が移転し、議会宮殿と呼ばれる。