平成20年3月13日
- 我が国政府は、ハイチ共和国政府に対し、「ポルトープランスにおけるコミュニティ参加を通じた子供のための環境整備計画(Support to Child-Friendly Environments through Community Participation in Port-au-Prince)」の実施に資することを目的として、ユニセフを通じて、4億6,200万円のコミュニティ開発支援無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月13日(木曜日)(現地時間3月12日(水曜日))、同国の首都ポルトープランスにおいて、我が方中川幸子在ハイチ国臨時代理大使と先方アドリアーノ・ゴンザレス=レゲラル国際連合児童基金ハイチ代表(Adriano GONZALEZ-REGUERAL,UNICEF Representative in Haiti)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
本計画は、ユニセフがハイチ共和国政府と協力して、同国の首都ポルトープランスにおいて、2公共保健所の改修、18小学校の増改築、12水路の修復、公共保健所や小学校における給水施設やトイレの建設、ゴミ処理システムに必要な機材整備等や子供のための教育及び保健衛生に関する啓蒙活動を行うために必要な資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- 90年代以降のハイチ共和国の国内混乱により経済・社会情勢は悪化し、同国の行政や公共サービスの基礎は崩壊している。保健・衛生分野においては、定期的に公共の医療サービスを受けられる子供は全体の40%にすぎず、妊産婦死亡率は10万人あたり680人(2000年、ユニセフ子ども白書)、5歳未満児死亡率は1000人あたり120人(2005年、ユニセフ子ども白書)と著しく高い。また、本計画地域においては、ゴミが路上や水路に溢れ、汚水が水路に流れ込むなど不衛生で病害虫の温床になっており、多くの子どもたちが感染症の犠牲になっている。また、安全な飲料水へのアクセスがないことも病気の原因である。
- 教育分野においては、教育省は国家教育計画(1997-2007年)により6歳から12歳の子どもが全員教育を受けることを目標としていた。しかし、6歳から12歳の子どもの3分の1は学校に通っておらず、就学率は68%で、小学校5年生まで通学する子どもはその内17%に過ぎない。学校に通えない子どもたちは家事労働に従事させられており、また、児童虐待の被害者となっている。
- このような状況の下、ユニセフはハイチ政府と連携しつつ、ポルトープランスを対象として、2公共保健所の改修、18小学校の増改築、12水路の修復、公共保健所や小学校における給水施設やトイレの建設、ゴミ処理システムに必要な機材整備等や子供のための教育及び保健衛生に関する啓蒙活動を行うために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- 約250,000人の住民が、衛生的環境下で適切な基礎医療サービスを受けることが可能となる。
- 安全な水の供給及び衛生的環境での生活が可能となる。
- 子どもたちが適切な環境下で教育が受けることが可能となる。
- 住民に対する啓蒙活動、教育を通じてコミュニティのオーナーシップが醸成される。
(参考)
- ハイチ共和国は、面積約2.78万平方キロメートル、人口約860万人(平成18年)、人口1人あたりのGNI(国内総所得)約440米ドル(平成18年)である。
- 計画実施地域地図及び写真(添付)(PDF)

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