平成20年3月10日
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我が国政府は、リベリア共和国に対し、ユニセフ(国際連合児童基金)を通じ、「リベリア共和国における小児感染症予防計画」(the project for Infectious Diseases Prevention for Children in the Republic of Liberia)の実施に資することを目的として、2億円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月10日(月曜日)(現地時間、同日)、同国の首都モンロビアにおいて、我が方中村温在リベリア国臨時代理大使(ガーナにて兼轄)と先方ローザン・チョールトン、ユニセフ・リベリア事務所代表(Ms. Rozanne CHORLTON, UNICEF Representative in Liberia)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- リベリア保健社会福祉省がユニセフと協力して、マラリアや感染症予防対策を実施するための資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- リベリアでは、1989年から14年間続いた紛争により保健事情は劣悪な状況にある。同国の5歳未満児の死亡率は、1,000人中235人と世界で最も高い(サブ・サハラアフリカの平均は1,000人中172人)。子どもの主たる死亡原因は、マラリア、下痢、急性呼吸器疾患及びはしかであり、5歳未満児の1,000人中約262人がマラリアに罹っており、5歳未満児の18%がマラリアが原因で死亡している。
- 同国政府は、「RED(Reach Every District:すべての地域に支援を)戦略」、「国家はしか戦略」、「破傷風排除計画」を策定して予防接種率の改善を図っているが、未だ完全ではない。
- このような事情から、リベリア政府はユニセフと共同で、全国の1歳未満児を対象に予防接種を実施し、モントセラド州、ボミ州、ロファ州及びメリーランド州の5歳未満児及び妊婦を対象に抗マラリア薬の投与、また、国内で蚊帳の保有率が最も低いボン州の5歳未満児及び妊婦を対象に長期残効型殺虫剤処理蚊帳の配布を行うために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- 本計画の実施により、リベリア全国の1歳未満児の95%(150,100人)がBCG、3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)、ポリオワクチン及びはしかの予防接種を受けることが可能となり、ボン州の5歳未満児(107,418人)及び妊婦(17,582人)が長期残効型殺虫剤処理蚊帳の配布を受け、同州の蚊帳保有率が85%以上に改善する。
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なお、今回の協力は、アフリカにおけるマラリア対策のために我が国が表明した1,000万張の蚊帳の供与の一環として実施するものである。
(参考)
- リベリア国は、面積約11.1万平方キロメートル、人口350万人(平成19年)、人口1人当たりのGNI約140米ドル(平成18年)である。
- 計画実施地域地図(添付1)(PDF)

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