平成20年3月7日
- 我が国政府は、国連地雷対策支援信託基金(UNMAS)等による「中央部及び東部アフリカ諸国における地雷除去計画」(The Programme of Demining Activities in Central and Eastern African Countries)の実施に資することを目的として、9億9,700万円の紛争予防・平和構築無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、3月7日(金曜日)(現地時間、6日)、ニューヨークの国連本部において、我が方高須幸雄駐国連代表部大使と先方ウォレン・セイチ国連事務次長補兼財務官(Mr. Warren Sach, Assistant Secretary-General, Controller of the United Nations)との間で行われた。
- 本計画の概要は次の通りである。
(1)本計画の内容
コンゴ(民)、スーダン及びチャドに対し、UNMAS等が地雷の除去や、地雷回避のための分布図の作成、及び住民に対する地雷危険回避の啓発活動等を行うための資金を供与する。この内コンゴ(民)では、地雷の埋設状況が最も深刻で、約300万人の住民が居住する三州(赤道州、南キブ州、カタンガ州)で調査、除去、危険回避の啓発活動を行う。スーダンでは南北スーダン連絡の要路である南コルドファン州の環状道路と、内戦の影響が最も深刻で、今後約20万人の難民、国内避難民の帰還が見込まれる二州、チャドでは地雷犠牲者が集中する東部地域を中心に同種の活動を行う。
(2)本計画の必要性
- 中央部及び東部アフリカ地域は、最近まで紛争が継続、又は継続中の国を抱える地域である。スーダンでは約20年間の内戦により最大で約65万人の難民と約400万人の国内避難民が発生し、チャドでは政府と反政府武装勢力間の対立が現在も続き、コンゴ(民)では5年以上続いた本格的内戦により約330万人が犠牲となり、国土の一部ではなお不安定な情勢が続いている。
- この三国は、各々日本の数倍の面積を持ち、アフリカ諸国の安定に重要な影響を及ぼすため、情勢の安定に向け努力が続けられているが、続く紛争の結果、世界でも有数の地雷埋設国となっている。多数の地雷は、住民の直接の脅威である上、農業活動への復帰、公共施設の整備を困難とし、人道上、また復興活動上重大な阻害要因になっている。このため、地雷対策は、地域の平和の定着事業で重要な意義を持ち、国際機関が政府機関やNGO等と調整しつつ進められている。
- このような状況の下、各国及びUNMASは、地雷除去活動、地雷埋設地域の調査活動、危険回避教育活動などを内容とする地雷対策計画を策定した。本件は、同計画に基づき、我が国に対し紛争予防・平和構築無償資金協力の要請があったものである。
(3)本計画の効果
この計画の実施により、スーダンでは2008年に帰還する約20万人の難民、国内避難民を始めとする住民居住地域の地雷除去活動を行い、また全土を対象とする危険回避啓発活動により地域住民の安全が進展する。チャド、コンゴ(民)でも、地雷除去活動と埋設地域の調査活動により、住民の安全と地域の復興の進展が期待される。
(参考)
- コンゴ民主共和国、スーダン共和国、チャド共和国はアフリカ中央部、東部に位置する。コンゴ(民)の国土は約235万平方キロメートル、人口は約5,930万人、一人当たりGNI(国民所得)は約130米ドル、スーダンは面積約250万平方キロメートル、人口約3,623万人、一人あたりGDPは約873米ドル、チャドは面積約128.4万平方キロメートル、人口約970万人、一人あたりGNIは約400米ドルである。
- アフリカ中、東地域-地域情勢と地雷問題(別添)(PDF)
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