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スーダン共和国に対する国連世界食糧計画(WFP)を通じた無償資金協力「南部スーダンにおける道路修復及び地雷除去計画」に関する書簡の交換について

平成20年1月29日

  1. 我が国政府は、「南部スーダンにおける道路修復及び地雷除去計画(The Programme for Road Repair and Mine Clearance of Key Transport Routes in Southern Sudan)」の実施のため、国連世界食糧計画(WFP)を通じ、13億700万円の紛争予防・平和構築無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月29日(火曜日)(現地時間、同日)、南部スーダンの首都ジュバにおいて、我が方石井祐一駐スーダン共和国大使と先方忍足謙朗国連世界食糧計画在スーダン事務所代表(Mr. Kenro OSHIDARI, Sudan Representative and Regional Director of World Food Programme in the Republic of the Sudan)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。

    (1)本計画の内容

     南部スーダンにおいて、WFPが住民の交通、物流の中心となる幹線道路の修復及び維持(排水溝の整備、沈泥の除去など)(修復及び維持の合計595キロメートル)を行うための資金を供与する。(:今回我が国が供与する資金では地雷除去は行われない。)

    (2)本計画の必要性

    (イ) スーダン共和国は、アラブ・イスラム文化圏の北部とキリスト教・土着信仰文化圏の南部から構成される。2005年1月に締結された南北包括和平合意(CPA)により、20年以上に及ぶ内戦は終結したが、この間に少なくとも200万人の死者と60万人以上の難民及び約400万人の国内避難民が発生し、2007年時点で約58.5万人ものスーダン難民が近隣諸国で暮らしている。

    (ロ) 内戦の終結を受けて、南北スーダンでは、中央政府である国民統一政府(首都ハルツーム)と南部スーダン政府(首都ジュバ)が発足したが、石油収入の配分や係争地域の帰属画定等、重要な点でCPAの履行の遅延が生じている。また、長年に亘る内戦により壊滅的打撃を受けた南部スーダンでは全体的に開発が著しく遅れ、食糧生産も壊滅的打撃を受けるなど、開発援助及び人道支援に対する需要は極めて大きい。しかし、地雷や不発弾により寸断され、雨期には水没してしまう劣悪な交通網が機動的・効果的な援助活動を阻害している。

    (ハ) 難民及び国内避難民の南部への帰還は、2007年に入り本格化し、これまで8万5千人が国連の支援により帰還しているが、まだまだ遅れている。また、これから武装勢力の武装解除・動員解除・社会復帰が本格的に開始されれば、元兵士の帰還も進むことになるが、帰還を円滑に進め、復員先の地域社会への社会復帰を実現するためにも、交通インフラ、特に道路網を整備し、経済開発へと繋がる環境を作り出すことが喫緊の課題である。

    (3)本計画の効果

     本プログラムの実施を通じて、南部スーダンの道路が整備されることにより、難民、国内避難民及び元兵士の帰還が促進されると共に、移動時間の短縮・安全性の向上により現地の物流が促進される。また、これにより、人道・復旧支援へのアクセスが向上し、輸送経費の削減及び輸送時間の短縮による援助物資の最大化と効率化が可能となり、南部スーダンの平和の定着に寄与することが期待される。

(参考)

  1. スーダン共和国はアフリカ北東部に位置し、国土は250万平方キロメートル、総人口は3,623万人(2005年)で、一人当たりGDPは873米ドル(2006年)である。
  2. 案件位置図(PDF)PDF

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