平成20年1月28日
- 我が国政府は、バヌアツ共和国政府に対する以下の無償資金協力(総額1億4,700万円)を行うこととし、このための書簡の交換が1月28日(月曜日)(現地時間同日)、同国のポートビラにおいて、我が方滑川雅士駐バヌアツ国大使(フィジーにて兼轄)と先方エドワード・ナタペイ副首相兼インフラストラクチャー・公共事業大臣(Hon. Edward NATAPEI, Deputy Prime Minister and Minister of Infrastructure and Public Utilities)との間で行われた。
(1)「ポートビラ港埠頭改善計画」(詳細設計)(供与限度額:4,700万円)
(the project for Improvement of Port Vila Main Wharf)
(2)ノン・プロジェクト無償資金協力(供与額:1億円)
- 各計画の概要は次のとおりである。
(1)ポートビラ港埠頭改善計画
(a)本計画の内容
- バヌアツ共和国のインフラ・公共事業省が、ポートビラ港を現在の荷役形態の主流であるコンテナ貨物に合わせた施設に改善し、係船時間及び荷役時間の短縮、離接岸の効率化及び港内航行の安全性の向上を図ることを目的に、同港のコンクリート・デッキの閉塞や管理棟整備、タグボート等の調達を行うための資金を供与する。今回の書簡の交換は、本計画のうち詳細設計に係る部分について行われる。
(b)本計画の必要性
- 同国は島嶼国家であるため、国内外海運の玄関口として、またクルーズ船の寄港地として港の役割は大きい。特にポートビラ港は首都ポートビラ市のポントーン湾の南奥部に位置し、エファテ島ルガンビル港と共に同国における輸出入の大半を扱う重要な国際港である。
- 同港のメインワーフは1972年に供用が開始されたが、当時の港湾貨物の主体であったバラ荷貨物等を対象としていたため、現在のコンテナ化に対応できておらず、十分なコンテナヤードが確保できていないほか、港湾施設の構造上、桟橋からの運搬に時間を要し、コンテナ船からの陸揚作業に待機時間が生じている。
- また、同国法令により使用が義務化されている、港湾内で船舶を誘導するパイロットボートや船舶をえい航するタグボートも老朽化等により機能していない状況にある。
- このような状況の下、バヌアツ共和国政府は、ポートビラ港の改善を行うための資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(c)本計画の効果
- コンテナ運搬距離の短縮により、コンテナ貨物1個当たりのサイクルタイムが短縮される。
- サイクルタイムの短縮により、1隻当たりの係船時間が短縮され、荷役効率が改善され港湾サービスが向上する。
- タグボートの調達により航行の安全が保たれるほか、離着岸の支援により離着岸の安全性が向上し、離着岸時間が短縮される。
(2)ノン・プロジェクト無償資金協力
(a)本無償資金協力の内容
今回の無償資金協力は、バヌアツ共和国による経済・社会開発に向けた取組を支援するために実施するもので、右取組に必要な物品の購入に充てる資金を供与するもの。
(b)本無償資金協力の必要性
- 同国は構造改革の一環として、アジア開発銀行の協力を得て1997年半ばより開始された包括的改革計画の下、投資誘致、輸出促進、小規模企業の育成、農村部の経済活動の奨励等を通じ、民間セクター活性化を図っている。
- バヌアツ共和国政府は、このような取組に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
(c)本無償資金協力の効果
我が国の支援により、バヌアツ共和国おける貧困削減及び開発に貢献することが期待される。
(参考)
- バヌアツは太平洋島嶼国の1つであり、面積は約1万2千平方キロメートル、人口は約22.1万人である。
- 計画実施地域地図(添付1)
(PDF)
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