平成19年12月21日
- 我が国政府は、ブータン王国政府に対し、「貧困農民支援」として、2億1,000万円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月21日(金曜日)(現地時間:同日)、同国の首都ティンプーにおいて、我が方堂道秀明駐ブータン王国大使(インドにて兼轄)と先方イェシェイ・ドルジ外務次官 (Mr. Yeshey Dorji, Foreign Secretary, Ministry of Foreign Affairs, Royal Government of Bhutan)との間で行われた。
- ブータンの基幹産業は農業であるが、国全体が険しい山岳地帯であり、主要食用作物の生産量は国内需要を満たしていない。このため、食糧自給を達成するために限られた農地で効率的に農作業を行い、主要作物の生産性を向上させることが必要となっている。また、近年同国では若者層が都会に流出する傾向も見られることから、農村における労働力不足を補填するためにも、農作業の機械化の促進が課題となっている。
- しかしながら、ブータン国が独自で農業機械化を推進することは困難である上、同国内で農業機械を取り扱う民間市場も未発達である。このような状況下で、貧困農民支援による農業機械の供与が果たす役割は大きく、これまで我が国の支援により同国が調達した農機(日本製トラクター)も、小回りが利き、丈夫で、操作が簡単なことから需要が非常に高く、農業機械化の原動力となっている。今年度の供与品目は二輪トラクターで、農業機械の活用による生産性の向上や農民の収入増加が期待される。
(参考)ブータン王国
首都:ティンプー
面積:約4万6,500平方キロメートル(九州の約1.1倍)
人口:約92万人(2005年世銀資料)
一人あたり国民所得:約1,410米ドル(2006年世銀資料)