平成19年12月4日
(1)本計画の内容
ハイチ共和国政府保健省が、ユニセフの支援のもと、同国の1歳未満児約33万人及び妊産婦約31万人に対する予防接種ワクチンを供与するとともに、ワクチン保管倉庫の建設や保冷機材(冷蔵庫等)の補修等を実施するための資金を供与する。
(2)本計画の必要性
ハイチでは、1990年代以降の国内混乱により経済社会情勢が悪化し、さらに2004年の政治的混乱の発生により、保健医療体制が大きな影響を受けている。保健分野における指数も下降し続けており、5歳未満児死亡率は1000人単位に対し120人(2005年)、また妊産婦死亡率は出生10万人単位に対し680人(2000年)と中南米カリブ地域で最も高く、アフリカの最貧国の指数に匹敵するレベルにある。
予防接種の接種率は近年大きく落ち込んでおり予防接種で予防可能な感染症への感染が懸念されている。1990年には発症を抑えることの出来た麻疹が、2000年に流行し、1,000名近い感染患者が確認されたほか、1990年代には報告されることのなかったポリオウィルスによる小児麻痺の発症も2001年に新たに8件の症例が報告されるなど、本来であれば予防可能な感染症の発症が見られる。
我が国は2004年度から、政治混乱によって打撃を受けた予防接種体制を復旧させるために、ユニセフを通じ、予防接種実施のための支援を行っているが、同国の予防接種実施体制は未だ貧弱であり、引き続き予防可能な感染症への早急な取り組みが必要である。
このような状況のもとハイチ政府及びハイチユニセフ事務所は、予防接種強化計画を策定し、当計画に必要な資金につき、我が国に対して無償資金協力を要請してきたものである 。
(3)本計画の効果
本計画の実施により、同国の1歳未満児の平均予防接種率が73%から80%に上昇するとともに、妊産婦の予防接種率が53%から60%に上昇する。また、予防接種実施体制の強化により、予防可能な感染症への感染及び感染症による死亡率が減少する。
(参考)
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