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マダガスカル共和国に対する無償資金協力(「首都圏南部地区接続道路建設計画」及び「アンチラベ農業機械訓練センター拡張及び機材整備計画」)に関する書簡の交換について

平成19年11月14日

  1. 我が国政府は、マダガスカル共和国政府に対し、「首都圏南部地区接続道路建設計画(詳細設計)」(projet de construction d' une bretelle dans la zone sud de la capitale)及び「アンチラベ農業機械訓練センター拡張及び機材整備計画」(projet d' extension et d' aménagement des équipements du Centre de Formation et d' Application du Machinisme Agricole à Antsirabe)の実施に資することを目的として、6億1,100万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、11月14日(水曜日)(現地時間、同日)、同国の首都アンタナナリボ市において、我が方乳井忠晴駐マダガスカル共和国大使と先方マルセル・ランジェヴァ外務大臣(Marcel RANJEVA, Ministre des Affairs Etrangères de la République de Madagascar)との間で行われた。
  2. 各計画の概要は次のとおりである。

    (1)首都圏南部地区接続道路建設計画(詳細設計)

       供与限度額 3,300万円

    (イ)本計画の内容

    • マダガスカル政府公共事業気象省が、首都アンタナナリボ市の南部において、国道7号線と同バイパス道路間を接続する全長2.9キロメートルの新設道路(橋長95メートル、幅員7メートルの橋梁の建設を含む)を建設する、「首都圏南部地区接続道路建設計画」の詳細設計を実施するための資金を供与する。

    (ロ)本計画の必要性

    • マダガスカルの首都アンタナナリボ市は、東部トアマシナ港、北部マジュンガ港、南部トリアル港と幹線道路で結ばれており、各港で荷揚げされた貨物の大半が首都圏を経由して全国各地に運搬されている。
    • このように、主要な物流ルートが市街地を通過することから、首都圏では慢性的な渋滞が発生している。我が国の無償資金協力「国道7号線バイパス建設計画」により、同国内で特に物流の多い国道2号線と同7号線では渋滞が相当解消されたが、各国道を結ぶ環状道路は開通しておらず、市街地の混雑渋滞は依然として解消されていない。また、南部軽工業地帯と市街地の中間に位置するタンジュンバト地区は住宅地区でもあることから渋滞が激しく、南北の物流に支障をきたしている。
    • このような状況の下、マダガスカル政府は、バイパス道路と連動して首都圏の交通渋滞を緩和させる本件環状道路の整備に必要な資金につき、我が国に無償資金協力を要請したものである。

    (ハ)本計画の効果

     本計画による改修工事等が実施されれば、以下の効果が見込まれる。

    • 環状道路の整備による各国道への接続機能の向上により、短時間で種々の幹線道路へのアクセスが可能となり、マダガスカルの首都・主要港を含む物流が迅速化される(最も渋滞の激しいタンジュンバト地区では、日交通量が、現在の一日あたり19,500台から一日あたり14,600台に改善される)。
    • 現在、狭い幹線国道上を通交している歩行者、車両、荷車、牛車等が、本計画対象道路への交通の転換により渋滞が緩和され、安全性が拡大する。

    (2)アンチラベ農業機械訓練センター拡張及び機材整備計画

       供与限度額 5億7,800万円

    (イ)本計画の内容

    • マダガスカル農業牧畜水産省の管轄するアンチラベ農業機械訓練センターが、研修用施設の建設及び機材(農業機械、農機修理機材、電圧・油圧測定機材、溶接関連機器等)の整備を実施するための資金を供与する。
      主な施設:教室棟(704平方メートル)、ワークショップ棟(627平方メートル)、寄宿舎棟(1,100平方メートル)、トラクタ格納庫(イヴォリ本校:540平方メートル、インダフィ付属農場:324平方メートル)等

    (ロ)本計画の必要性

    • マダガスカルでは、農業は基幹産業であるが、農民の約8割が貧困層に属しており、同国の貧困削減達成には、農村の活性化・農業生産性の向上が不可欠である。このため、マダガスカル政府は、国家開発計画である「マダガスカル・アクションプラン(2007-2012)」において貧困削減と食糧安全保障のために2012年までに米の生産量を現在の2倍にまで引き上げることを目標に掲げ、1)農業機械化、2)農民組織化、3)種子の改良、4)肥料の普及に向け各種政策を実施している。
    • アンチラベ農業機械訓練センターは、農業機械に特化した同国唯一の研修センターとして、農業機械の操作・維持管理に関わる人材育成を行っており、農業機械化政策を実施する上で重要な役割を担っている。しかし、同センターは設立後20年以上が経過し、施設及び研修機材の老朽化と、機材の不足により研修に支障をきたしている。
    • このような状況の下、同国政府はアンチラベ農業機械訓練センターの研修用施設の建設及び研修用機材の整備に必要な資金につき、我が国に無償資金協力を要請したものである。

    (ハ)本計画の効果

    • 本計画の実施により、アンチラベ農業機械訓練センターにおいて、短期・長期コース合わせて年間120名以上の農業機械化に係わる人材を育成することが可能となり、マダガスカルにおいて農業機械化が促進される。
    • アンチラベ農業機械訓練センターが中核となり、各地域に合った適正な農業機械の導入が推進されることで、農作業の効率化、耕作面積の拡大等を通じた農業生産性の向上が可能となる。農業生産性の向上により、農民の所得向上・生活改善が図られ、長期的には同国の農業人口約1,300万人に裨益することが見込まれる。

(参考)

  1. マダガスカル共和国は、面積約58.7万平方キロメートル、人口1,860万人、人口1人当たりのGNI約290米ドル(世銀統計2005年)である。
  2. 計画実施地域地図「首都圏南部地区接続道路建設計画」(添付1)(PDF)PDF
  3. 完成イメージ図「首都圏南部地区接続道路建設計画」(添付2)(PDF)PDF
  4. 計画実施地域地図「アンチラベ農業機械訓練センター拡張及び機材整備計画」(添付3)(PDF)PDF
  5. 完成イメージ図「アンチラベ農業機械訓練センター拡張及び機材整備計画」(添付4)(PDF)PDF

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