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キルギス共和国に対する無償資金協力「チュイ州橋梁架け替え計画」に関する書簡の交換ついて

平成19年10月3日

  1. 我が国政府は、キルギス共和国政府に対し、「チュイ州橋梁架け替え計画」の実施に資することを目的として、4億7,600万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が10月3日(水曜日)(現地時間、同日)、同国の首都ビシュケク市において、我が方笠井達彦在キルギス国臨時代理大使と先方アキルベク・ジャパロフ財務大臣(Mr. Akylbek JAPAROV, Minister of Finance)との間で行われた。
  2. 計画の概要は次のとおりである。

    (1)本計画の内容

    • キルギス政府が、同国北部地域のチュイ州にある首都ビシュケクと隣国カザフスタン及び中国を結ぶアジア・ハイウェイ上の老朽化している橋梁(アラメジン橋、アラアルチャ橋及びケンブルン橋)の架け替えを行うための資金を供与するもの。

    (2)本計画の必要性

    • キルギスは、2006年に「国家開発戦略」を策定し、安定した経済成長を図るための輸送インフラの整備を重点項目として掲げている。具体的には、生産物や商品の輸送コストを最小限に抑え、地域や地方市場へのアクセスを確保するために道路状況をより高い水準にすることとし、また、中央アジア地域の生産物・サービス市場及び国内の工業・商業の中心地と互いに国際回廊で結ぶとしている。また、同国内の国際幹線道路は、アジア・ハイウェイ構想に含まれており、アジア全体の物流の円滑化、経済の発展を図るために必要な国際幹線道路網と位置づけられている。しかしながら、同国は1991年の独立後の経済の低迷などによって道路・橋梁の改修、架け替えが十分に行われず、老朽化が進んでいる。この結果損傷の著しい道路インフラは、観光、農業、鉱業等の開発に不可欠な輸送の大きな障害となっており、経済成長の阻害要因となっている。
    • 本計画の対象橋梁のアラメジン橋及びアラアルチャ橋は隣国のカザフスタンへと続くアジア・ハイウェイ(AH5号)に位置し、近隣する市場への大型車両の交通が多く、上下部工とも損傷が激しいことに加え、基礎部は洗掘が進んでおり、橋面状態も悪く、通過する車両は減速せざるを得ない状況にある。ケンブルン橋は隣国中国を結ぶアジア・ハイウェイ(AH61号)に位置し、近隣住民が利用する生活道路であることから交通量は多く、また上下線で分離架橋されており、それに起因する交通事故も多発している。3橋とも架橋後40年以上が経過し、老朽化や河川の浸食により落橋の危険性が高く、不安定な状態となっている。
    • このような状況の下、同国政府は、物流の最重要路線に位置する3橋梁を架け替えることにより、中央アジア地域の交通・輸送が安全かつ安定的に確保されるとともに、沿線住民の利便性を改善するために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果

    • 本計画の実施により、3橋の橋梁耐荷力((23.5-28.4トン)→40.9トン)が増大するとともに、橋面の平坦性が向上し、通過速度(5~10キロメートル毎時)が60キロメートル毎時に上がる(アラメジン橋及びアラアルチャ橋)。交通容量(1,900台毎時)→2,270毎時に増加するとともに道路線形等が改良され、交通事故誘発の要因が除去される(ケンブルン橋)。
    • 同国の社会・経済活動の活性化、貧困削減に資するとともに、国際幹線道路としての機能が向上することにより、中央アジアの物流の円滑化、経済の発展に寄与することが期待される。

(参考)

  1. キルギス共和国は、中央アジアの北東部に位置する内陸国であり、人口は約520万人、一人当たりGNI(国民総所得)は490ドル(世銀、2006年)の国である。
  2. プロジェクトの位置図(添付)(PDF)PDF
  3. 完成予想図(アラメジン橋)(添付)(PDF)PDF

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