平成19年7月25日
- 我が国政府は、ヨルダン・ハシェミット王国政府に対し、「第二次ザルカ地区上水道施設改善計画(the project for Improvement of the Water Supply for the Zarqa District (Phase II))」の実施に資することを目的として、6億6,800万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、7月25日(水曜日)(現地時間同日)、同国の首都アンマンにおいて、我が方加藤重信駐ヨルダン国大使と先方スハイル・アリ計画・国際協力大臣(Mrs. Suhair Al Ali, Minister of Planning and International Cooperation)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- ヨルダン水道庁が、首都アンマンの北東35キロメートルに位置するザルカ地区において配水池、送水管、ポンプ場、配水連絡管、塩素消毒施設等の建設を行うための資金を供与する。
- 1期目は、ザルカ高区配水池・送水管、ポンプ場、塩素消毒施設、2期目はハシミエ、スフナ配水池・送水管、3期目はバトラウィ配水池・送水管を建設する。また、配水データ管理や配水管網解析等の技術指導も併せて行う。
(2)本計画の必要性
- ヨルダンの国土の約80%は砂漠または荒地であり、同国の国民一人あたりの年間水資源賦存量(水資源として理論上人間が最大限利用可能な水の量)は200立法メートル以下(世界平均7700立法メートル)と極端に少ない上、急速な人口増加により水不足は深刻化している。同国では限りある水資源の有効かつ公平な利用が常に最重要課題と位置づけられている。
- ザルカ地区は、ザルカ市、ルセイファ市、ハシミエ市、スフナ市からなる、アンマンの北東35キロメートルに位置する有数の工業地域であるとともに、パレスチナ難民及びイラク戦争後は多くのイラク人が同地区に流入しており人口増加が著しい。ヨルダン政府は配水管網の敷設替え等を実施してきているが、近年では高台に住宅地が拡大されて住宅地が拡大されていることから、これまでの給水方法では高い給水圧を必要とするため、配水管の破裂や漏水等の問題が懸念されており、自然流下による送水及び適切な配水区の設定による改善が必要とされている。
- このような状況の下、ヨルダン政府はザルカ市、ハシミエ市及びスフナ市を対象とした「第二次ザルカ地区上水道施設改善計画」を策定し無償資金協力を要請してきた。
(3)本計画の効果
- 本計画の実施により、配水区が設定され適切な給水圧が確保されることで漏水率が改善し、水配分計画が適切に実施されることで同地区の374,000人の一日あたりの水使用量が84リットルから113リットルに増加し、同地区の給水状況の改善が期待される。
(参考)
- ヨルダンは中東の非産油国で、面積は8.9万平方キロメートル、約5.5万人(2005年世銀)の人口の約7割以上をパレスチナ系住民が占めている。ヨルダンは中東地域の安定確保の鍵を握る重要な国であり、中東和平プロセスに積極的な役割を果たす一方で、パレスチナ情勢やイラク情勢等の影響を受けやすい脆弱な社会・経済構造を有している。我が国は同国の経済構造改革への積極的な取組を評価するとともに同国を中東における我が国援助の重点国と位置づけ援助を実施している。人口1人当たりのGNI約2,460米ドル(2005年世銀)である。
- プロジェクト関連写真(添付1)(PDF)

- プロジェクト実施地域地図(添付2)(PDF)

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