平成19年6月16日
(1)本計画の内容
ボリビア政府がコチャバンバ県灌漑水路の改修を実施するための資金を供与するもの。第2期においては、灌漑用水路17.1キロメートルのライニング、維持管理用道路7.9キロメートルの改修、分水ゲート19門の改修、取水工1カ所の改修等を行う。
なお、第1期において、灌漑用水路17.5キロメートルのライニング、維持管理用道路12.3キロメートル、分水ゲート18門の改修等を実施中である。
(2)本計画の必要性
ボリビア共和国は、農業セクターがGDPの15.6%(2004年世銀)、全体就業人口の44%を占める主要産業の一つである。しかし、その多くは小規模農家で天水農業による伝統的農法で栽培されているため農業生産性は低く、生産量が国内需要を満たすには至っていない。
このような中、国家計画「国家農牧・農村開発戦略2005」では、農業分野の優先課題として農業・農村インフラの整備を目標に掲げており、灌漑施設の整備を国家の重要政策と位置づけている。
本案件の対象地域であるコチャバンバ県は、上記整備の重点地区となっている。同地域は年間降水量が少なく、灌漑用水なしでは年間を通じた農業生産は困難である。また、既存灌漑システムの用水路は老朽化による漏水が激しく、灌漑効率は我が国の標準的な灌漑の約半数に留まっていることから、灌漑施設の改修は緊急の課題となっている。
このような状況の下、ボリビア政府は、同県アンゴスツーラ地区(コチャバンバ市、キリャコリョ市、ティキパヤ市及びコルカピューラ市)における灌漑施設の改修に必要な資金につき、我が国に対して無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
本計画の実施により、灌漑水の送水損失や排水損失が改善され、総合灌漑効率が35%から44%に向上し、水源が効率的に農業に利用されることが期待される。また維持管理用道路の整備により、農業建機の通年走行が可能となり、生産性が向上することが期待される。さらに、水量の確保等により、栽培作物の生産性向上、多様化が図られ、農村における収入向上と雇用機会の拡大が期待される。
(参考)
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