国別地域別政策・情報 国別約束(年度別交換公文(E/N)データ)

ナイジェリアに対する無償資金協力(小児感染症予防計画)に関する書簡の交換について

平成19年6月8日

  1. 我が国政府は、ナイジェリア連邦共和国政府に対し、「小児感染症予防計画(the project for Infectious Diseases Prevention for Children in the Federal Republic of Nigeria)」の実施に資することを目的として、11億100万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月8日(金曜日)(同日)、同国の首都アブジャにおいて、我が方田中映男駐ナイジェリア国大使と先方アヤリュー・アバイ駐ナイジェリア・ユニセフ代表(Mr. Ayalew Abai ,UNICEF Representative to the Federal Republic of Nigeria)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。

    (1)本計画の内容

     ナイジェリア政府保健省が、ユニセフと協力して以下の計画を実施するために必要な資金を供与する。

    • ポリオ感染の危険の高い12州の5歳未満児(約1,400万人)に対するポリオ一斉投与キャンペーン(2007年)におけるポリオワクチンの投与。
    • 特に交通アクセスの悪い111地方行政区の5歳未満児及び妊産婦に対する長期残効性蚊帳約20万帳の供与。
    • 同地域の5歳未満児に対する経口補水塩(脱水症状対策)、駆虫剤の供与、妊産婦に対する貧血予防剤の供与。

    (2)本計画の必要性

    • ナイジェリアの保健指標は改善傾向にあるものの、出生1,000人当たり乳幼児死亡者数は100人、5歳未満児死亡者は194人(共に2005年)と依然深刻な状況にあり、その主な死亡原因は、マラリア、下痢、急性呼吸疾患、麻疹の順となっている。
    • ポリオについては、世界のポリオ撲滅活動は着実に進展しているが、アフリカと南アジアにおいて依然としてポリオ撲滅が達成されていない。ナイジェリアはポリオ野生株残存4か国のうちの1つであるが、2006年は801件、2007年は既に35件が新たに報告され、世界最大の発生国である。また、世界各地へのポリオウイルスの最大の輸出国(全世界の輸入株症例の8割以上が同国を原因とする)であることから、ナイジェリアにおける撲滅は国際社会におけるポリオ対策の最重点課題である。
    • マラリアは、5歳未満児の死亡原因の第1位であり地域によっては1歳未満児の死亡原因の半数を占めている。また、7割の妊婦が妊娠期間中にマラリアに罹患しており、主な妊産婦死亡原因となっている。このため、政府は「国家マラリア対策計画」を策定し、蚊帳の普及を含むマラリア対策に取り組んでいるものの、必要な蚊帳を確保できる状況にはない。
    • このような状況の中、ナイジェリア政府及びユニセフは、ポリオワクチン全国一斉投与の実施や、蚊帳の普及に取り組んでいる。しかし、同国の財政事情は厳しいことから、我が国に対し、ポリオワクチン、長期残効性蚊帳、及びより効果的保健サービスを実施するための医薬品の調達に必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果

    • 特にポリオ感染の危険が高い12州において、ポリオワクチン一斉投与の実施のためのポリオワクチンの供与により、一度もポリオワクチンを接種したことのない子供が減少すると共に、同国におけるポリオ撲滅に資する。
    • マラリア感染の危険が高い111地方行政区において、5歳未満児や妊産婦に対し蚊帳約20万帳を供与することにより、蚊帳の下で眠ることのできる5歳未満児や妊産婦の割合が2006年末の22%(111地方行政区平均)から少なくとも25%以上に改善する効果が見込まれている。
    • 予防接種や妊産婦検診に訪れた5歳未満児や妊産婦に対し、貧血や脱水症状等の改善に資する保健サービスを併せて実施することにより、同国の乳児死亡率、5歳未満児死亡率、妊産婦死亡率が改善される。

(参考)

  1. ナイジェリア連邦共和国は、面積約92.4万平方キロメートル、人口1億3,900万人、人口1人当たりのGNI約560米ドル(平成16年)である。
  2. ポリオ輸入例の経路, 2003-2006(別添)(PDF)
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