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ネパールに対する無償資金協力(新カワソティ変電所建設計画)に関する書簡の交換について

平成19年6月8日

  1. 我が国政府はネパール政府に対し、「新カワソティ変電所建設計画」(The Project for the Construction of New Kawasoti Substation)の実施に資することを目的として、8億4,700万円を限度額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月8日(金曜日)(現地時間、同日)、カトマンズにおいて、我が方平岡邁駐ネパール国大使と先方ビッダャダール・マリック大蔵省次官(Mr. Vidyadhar Mallik, Secretary, Ministry of Finance, the Government of Nepal)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。

    (1)本計画の内容

     ネパール電力公社が、ネパールのテライ平野中西部に位置するカワソティ地域を含むナワルパラシ郡東部の住民約19万人に対して、安定した電力を供給するために、新たな変電所(30メガボルトアンペア・132/33キロボルト主変圧器1台、8メガボルトアンペア・33/11キロボルト変圧器1台等)を整備するための資金を供与する。

    (2)本計画の必要性

    • カワソティ地域は、首都カトマンズから西南西約120キロメートルに位置し、肥沃なテライ平野にあり、農産物が豊富に収穫できることや、インドとの国境が近いことから、近年人口の増加や経済活動が進展している新興地域であり、急速に電力需要が高まっている。
    • 一方、既存の変電所の能力では電力の供給が限界に達しているため、新規の需要希望者への電力供給ができていない状況にある。また、電力は高圧で送電することにより送電ロスが軽減されるが、カワソティ地域に電力を供給している既存の変電所は、低圧の33キロボルト送電線(基幹の送電線は132キロボルト)により35キロメートルの距離を送電しているため、送電ロスが多く、電気供給の質の低下、信頼性の低下が深刻な状況にある。
    • このような状況の下、ネパール政府は、新たな変電所の建設により電力供給能力を向上するだけでなく、高圧の132キロボルト基幹送電線近隣に132キロボルトから33キロボルトに変圧する変電所を建設することにより、33キロボルトでの送電距離を短くして送電ロスを軽減することで、送電能力の強化・安定化を図ることを目的として、カワソティ地域における新たな変電所の建設のために必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果

     本計画の実施により、カワソティ地域を含むナワルパラシ郡東部の住民に対して、電力供給能力の増加(8メガボルトアンペア→38メガボルトアンペア)、送電ロスの低減(297メガワット時→7メガワット時)等により安定的な電力供給の実施が可能になり、当該地域における生活環境改善と経済活動の促進が期待される。

(参考)

  1.  ネパールは、面積約14万7,000平方キロメートル、人口約2,530万人(平成16/17年度)、人口1人当たりのGNI約280米ドル(平成17年)である。
  2. 完成イメージ図(別添)(PDF)
  3. 計画実施地域地図(別添)(PDF)
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