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バヌアツ共和国に対する無償資金協力(サラカタ川水力発電所改善計画(2/2期))に関する書簡の交換について

平成19年6月6日

  1. 我が国政府は、バヌアツ共和国政府に対し、「サラカタ川水力発電所改善計画(2/2期)(the Project for Improvement of Sarakata River Hydroelectric Power Station)」の実施に資することを目的として、総額7億700万円を限度額とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月6日(水曜日)(現地時間同)、同国のポートビラにおいて、我が方滑川雅士駐バヌアツ大使(フィジーにて兼轄)と先方サトー・キルマン副首相兼外相(Hon. Sato Kilman, The Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。

    (1)本計画の内容

    • バヌアツ国土地・エネルギー・環境・資源省が、同発電所への発電機調達等を実施するための資金を供与する。
    • なお、「サラカタ川水力発電所改善計画(1/2期)」でサラカタ川水力発電所の導水路等周辺地盤の崩落対策を実施するための資金を供与している。

    (2)本計画の必要性

    • バヌアツでは電力系統整備による電化地域は、首都ポートビラ市(エファテ島)と本計画対象地であるルガンビル市(サント島)のみであるが、電源をディーゼル発電に依存しており、高価な燃料の輸入が同国経済にとって大きな負担となっていた。そのため我が国は、1993年から1994年にサラカタ川水力発電所(300キロワット×2台)を整備し、ディーゼル発電から水力発電に転換することで燃料費を削減させ、同国の国際収支の改善に大きく寄与してきた。
    • 他方、近年サント島全域における電力需要が高い伸び率を示し、既設のサラカタ川水力発電所の定格容量では近年の電力需要を賄いきれなくなったことから、1996年に32%であったディーゼル発電所への依存度が、2005年には61%まで増加し、輸入燃料の高騰が同国経済を圧迫している。
    • このような状況の下、バヌアツ政府は、同発電所への発電機調達等の実施のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたもの。 

    (3)本計画の効果

    • 総設備容量が1200キロワットとなることにより、目標年次(2014年)におけるサント島ルガンビル市の最大負荷約1884キロワットに対して64%まで賄うことが可能となり、石油燃料の約85万リットルの削減に寄与。
    • 600キロワットの3号発電機が増加することで、供給予備力が増加することから、発電機が定期点検又は故障で運転停止しても安定した電力供給が可能。

(参考)

  1. バヌアツ共和国は、面積約1万2,200平方キロメートル、人口約22万人(平成18年)、人口1人当たりのGNI1,600米ドル(平成17年)である。
  2. 計画実施地域地図(添付1)(PDF)
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