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エジプト・アラブ共和国に対する無償資金協力「ダマンフール農業機械化センター近代化計画」に関する書簡の交換について

平成19年6月4日

 我が国は、貧困農民支援によりエジプトに対し、農機の供与を行っており、本計画との相乗効果が期待される。

  1. 我が国政府は、エジプト・アラブ共和国政府に対し、「ダマンフール農業機械化センター近代化計画(The project for Modernization of Agricultural Mechanization Center in Damanhour)」の実施に資することを目的として、7億9,200万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、6月4日(月曜日)(現地時間、同日)、同国の首都カイロにおいて、我が方石川薫駐エジプト国大使と先方アブルナガ国際協力大臣(Her Excellency Mrs. Fayza Aboulnaga, Minister of International Cooperation)との間で行われた。
  2. 本計画の概要は次のとおりである。

    (1)本計画の内容

    • エジプト政府農業土地開拓省が同国ベヘイラ県ダマンフール市に、農機貸出サービス及び農機修理・訓練サービスを行う「農業機械化センター」の施設及び機材を整備するための資金を供与する。

    (2)本計画の必要性

    • 年間降水量が約5ミリメートルと極めて少ないエジプト国では、国土の大半が砂漠か土漠の不毛地帯であり、耕作可能な土地は国土の約4%に過ぎない。他方、エジプトの人口は過去10年間で約820万人増(1995年比13.2%)と急激な増加を示している。このため、農業生産性及び食糧自給率(小麦54%、砂糖57%)の向上が急務である。
    • 年間を通じた二期作、三期作が農業の主流であるエジプトは、農業生産を上げるために、農業機械を必要としているが、農機は高価であるため、大多数の農民が農機貸出サービスを利用している。しかしながら、エジプト有数の農業生産地であるナイルデルタ地域のベヘイラ州ダマンフールには、修理施設や研修施設(地域の特性に沿った農機研修を行うもの)を有する農業機械化センター(農機貸出サービスを行っている公共機関)が存在せず、貸出サービスの質が低く、農機故障が頻繁に起こることから、農民の需要に適切な対応ができずに生産性が低下している。
    • このような状況の下、エジプト政府は、既存のダマンフール農業機械化ステーションに研修及び修理に必要な施設の建設と機材調達の実施のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

    (3)本計画の効果

    • 本計画の実施により、同国ダマンフール地域(農地面積約39万ヘクタール)の約115万人の農民の所得が向上し、これを通じてエジプトの経済社会開発に貢献することが期待されている。

(参考)

  1. ピラミッドに象徴される古代文明の発祥の地であるエジプト国は、地中海東岸の北アフリカと中東にまたがって位置する面積約100万平方キロメートル、人口7,400万人(2005年世銀)、人口1人当たりのGNI約1260米ドル(2005年世銀)である。
  2. 完成イメージ図(添付1)(PDF)
  3. 計画実施地域地図(添付2)(PDF)
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