パナマ共和国 -Republic of Panama- |
中山間地における持続的農村開発普及計画 | ||
案件開始日 | 平成16年1月 | |
案件終了予定日 | 平成19年1月 | |
案 件 概 要 |
1.要請背景 | パナマは中南米諸国の中でもブラジルに次いで貧富の差が大きく、1997年の消費に基づくジニ係数は49、所得に基づくジニ係数は60である。貧困の分布は都市より圧倒的に農村に集中しており、都市での貧困層は15%であるのに対し、農村部では65%に達する。また、貧しい世帯ほど所得を農業(農業生産および農業賃労働)に依存する傾向がある。 パナマの農業は米やとうもろこしを主要な農産物としているが丘陵地帯が多いため小規模農家の割合が多く、その大多数が伝統的な移動式焼畑農耕を行っている。特にコクレ県、ベラグアス県、ボカス・デ・トロ県にまたがる中央山脈およびエレラ県山岳地帯の中山間地域でこの傾向が顕著である。しかし、人口増加と限られた耕地面積という条件下で持続的な焼畑農耕は困難であり、土壌劣化そして農業生産性の低下を招き、自家消費に十分な生産量を得ることさえできない状況となっている。小農にとって生産性確保のための化学肥料や農薬の大量投入を必要とする高収量品種の導入は生産コストが高くなるうえ、中央銀行および農牧開発銀行からの融資は条件が厳しく融資を受けることが困難であることから、小農が活用できる農業技術の普及を行うことが必要である。 我が国は2000年10月より国立農業学校(以下、INA)に専門家を派遣し、小農に適した技術の開発/改善・研修を支援してきた。INAの実証展示・研修圃場においては有機農法による栽培試験、家畜類の飼育試験、自然エネルギー利用・保全型農場体系の研究などを実施している。しかし、普及システムの不整備から適正技術および関連情報が生産現場に届いておらず、依然として多くの農民が貧困の中で生活している。これを受けて、パナマ政府はこれらの貧困地域の小農に適した技術の普及方法の改善を目的とする技術協力プロジェクトを日本政府に要請した。 |
2.協力活動内容 | 1-1.コクレ、エレラ、ベラグアス各県の展示圃場の対象村落を選択する 1-2.展示圃場の対象村落で参加型農村調査を行う 1-3.展示圃場の農民に対する適正技術の指導を行う 1-4.農民主体の展示圃場運営に関わる計画を立案する 1-5.展示圃場の農民に対する圃場運営能力強化のワークショップを開催する 1-6.農民グループと活動を評価し、翌年度の展示圃場運営計画に反映する 2-1.展示圃場での農民の生産活動をモニタリングして農民のニーズを調査する 2-2.普及員、プロモーター、農民向け研修のカリキュラムを作成する 2-3.普及員、プロモーター、農民向け研修の指導員を養成する 2-4.普及員、プロモーター、農民向け研修用のパンフレット、教材を作成する 2-5.普及員、プロモーター、農民向けの研修を行う 2-6.研修受講者のモニタリングを行い、研修内容を見直す 3-1.周辺農民に対して普及効果が得られるように展示圃場の機能を整備する 3-2.展示圃場の農民が「農民交流の日」を開催する 3-3.展示圃場間および周辺農民とのネットワーク化をはかる 4-1.農民が必要としている情報を収集・整理する 4-2. INA内に「生産者情報交換センター」を開設し、農民間の情報交換を促進する 4-3.定期的に農民および普及員の意見や情報、種苗交換会をINAで開催する 4-4.関連普及機関と定期的な会合を開催し、活動の調整及び連携を促進する |
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