国別地域別政策・情報 国別プロジェクト概要

日本のODAプロジェクト

ブラジル連邦共和国 -Federative Republic of Brazil-

技術協力
東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクト
案件開始日 平成16年1月
案件終了予定日 平成19年1月



1.要請背景 アマゾン熱帯雨林の保全は地球的規模の課題であり、対ブラジル援助重点分野の一つである環境分野の中でも最重要テーマとして位置付けられている。アマゾン地域の一部であり、ブラジル北部に位置するパラー州においては、木材の伐採、入植事業による農地化、牧場開発による森林の破壊が深刻となっており、森林保全の技術普及並びに一般市民を対象として森林保全の重要性を啓蒙することが急務となっている。パラー州サンタバルバラ郡(ベレーン市から50km)にある「アマゾン群馬の森」は、地球的規模での森林保護活動の必要性を世界に訴えることを目的として、「アマゾンに群馬の森をつくる会」が北伯群馬県人会(本部:パラー州ベレーン)と共同で、日伯両国において募金活動を実施し、この資金により1996年に取得した面積540haを有する熱帯雨林の原生林である。また、北伯群馬県人会は群馬県等の補助を受け、1997年に「アマゾン群馬の森」の中にビジターセンターを設立している。同ビジターセンターは、広くブラジル内外の学生や研究者の利用に供されている。この「アマゾン群馬の森」を活用して、日伯の研究者・技術者が森林保全や森林資源の有効活用に係る技術普及等の活動を行い、その結果を群馬県民にPRすることで熱帯雨林保全の大切さを訴えていきたいとして、群馬県よりJICAとの連携による技術協力の実施に係る打診がなされた。これを受け、JICAは2002年1月に群馬県の参加を得てプロジェクト形成調査を実施した。この結果、「アマゾン群馬の森」は大都市ベレーンに近く、デモンストレーション効果が高いことから、森林・自然環境保全に係る活動を行うとともに、その成果を積極的に発信し、環境教育の場として機能させることが有益であることが明らかになった。この後、活動内容について検討を重ねた結果、「自然環境教育活動」「植林及びアグロフォレストリーの技術普及」および「情報発信・広報活動の強化」の3点にまとめられた。パラー州科学技術環境局(SECTAM)も大都市ベレーンの近郊では数少ない広面積の熱帯雨林である「アマゾン群馬の森」の価値を認識し、これを活用した技術協力の実施に高い関心を示し、環境教育、植林技術及びアグロフォレストリーの3分野にかかる専門家派遣要請がなされた。また、エミリオゲルジ博物館(MPEG)が環境教育分野の協力機関として、ブラジル農牧公社(EMBRAPA)が植林・アグロフォレストリー分野の協力機関として参加の意を示している。
2.協力活動内容 1-1環境教育及びエコツーリズムのための展示・教育施設及び「アマゾン群馬の森」のインフラ整備を行う。
1-2環境教育のための生物多様性調査(インベントリー)を実施する。
1-3地域住民、教員及び学生を対象に自然環境教育活動を行う。
2-1植林及びアグロフォレストリーの生産技術開発を行う。
2-2植林及びアグロフォレストリーの農民への技術普及を実施する。
3-1「アマゾン群馬の森」における活動に関する情報を発信するホームページを開設する。
3-2学校、コミュニティー及び一般市民を対象として、環境をテーマとしたセミナー及びワークショップを開催する。
技術協力
セラード生態コリドー保全計画
案件開始日 平成15年2月
案件終了予定日 平成18年1月



1.要請背景  ブラジル・セラード地帯は生物多様性が富み、ブラジル主要河川の水源地帯として重用視され、その一部がUNESCOの「生物圏保存地域」にも選定されている。現在農牧業等の急激な進展に伴い、生態系の分断、生物多様性や水資源の減少等の自然環境の破壊が問題視されており、自然環境保全と持続可能な開発の両立を目指した対策が求められている。
  セラード地帯及び本件対象地域は、伯連邦環境再生可能天然資源院(IBAMA)が伯連邦政府の多年度計画(2001~2003)に基づき、「生態系コリドー計画」を実施している。「生態系コリドー計画」では分断されている保全地域の連続性を確保することにより生態系機能・生物多様性の総合的保全を目指し、保護地域の組み替えや新設、社会経済分析、地域参加型の保護区管理、環境教育等の活動を計画・実施している。
  本件は「生態系コリドー計画」を、“パラナピレネウス生態系コリドー地域”において支援するものであり、具体的には関係機関の連携の枠組みの強化、情報収集・管理、環境教育等に係る活動を実施する。
2.協力活動内容 1-1 コリドー・レベルにおいて、コリドー調整委員会を結成する
1-2 コリドー・レベルにおいて、コリドー調整委員会を機能させる
1-3 コリドー・レベルにおいて、統合型生態系保全の為の活動に関連したセミナー/ワークショップを開催する
1-4 パイロット・エリア・レベルにおいて、既存の保護区調整委員会を強化する
1-5 パイロット・エリア・レベルにおいて、統合型生態系保全の為の活動に関連したセミナー/ワークショップを開催する
2-1 評価図の作成に必要な情報を収集する
2-2 既存のゾーン・マップと関連情報を分析・整理する
2-3 評価図を作成する
2-4 評価図に付随する技術的提言を作成する
3-1 環境教育/意識啓発の活動に必要な情報を収集する
3-2 環境教育の活動計画を策定する
3-3 環境教育のプログラム及び教材を作成する
3-4 環境教育のプログラムを実施する
3-5 テクニカル・ペーパーを作成する

熱帯サバンナ地帯セラードの代表的な植生

急激な農地の開発が生態系に打撃を与えている
写真提供/JICA

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