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日本のODAプロジェクト

ルーマニア -Romania-
技術協力
地震災害軽減計画
案件開始日 平成14年10月
案件終了予定日 平成19年9月



1.要請背景  ルーマニアは地震国であり、特に被害が首都ブカレストに集中している。近年では1977年3月4日、ブランチア地方(ブカレスト近郊に位置し、カルパチア山脈の弧が大きく曲がる地域。これまでの大規模地震は集中してこの地域で起こっている)でマグニチュード7.5の地震が発生し、死亡者1,600人弱(ブカレスト市内では1,400人強)、被害額約30億ドル(同20億ドル)の被害を記録した。さらに、ブカレストの被害額の70パーセント、即ち約14億ドルは建築物崩壊による被害であった。
地震学者の間では、統計的研究により、ブランチア地方に頻発する地震の再帰期間は30年と言われており、2007年頃にまた甚大な地震が発生する可能性があると予測されている。これによる被害を軽減するためには、ブカレスト市内の崩壊の恐れがある建築物の耐震補強を行う必要がある。ルーマニア政府は、ブカレスト市内の建築物115棟を最も崩壊の恐れがある建築物と認定し、これらの段階的な耐震補強事業を実施すると表明した。しかし、ルーマニアは耐震補強に関わる十分なレベルの技術を有していないことから、1998年8月、ルーマニア政府は日本政府に対して地震工学分野における専門家の派遣を要請した。我が国はこれを受け、専門家を派遣するとともにルーマニア人地震工学者の日本研修受入れ等の協力を行ってきた。
本件は、我が国の耐震工学を主体とした技術移転を行い、地震発生時の建築物倒壊による被害を軽減させることを目的としたプロジェクトである。
2.協力活動内容 1-1.MLPTLによる補強プロジェクト対象建築物について、地震時の性能を診断する。
1-2.MLPTLによる補強プロジェクトの支援と評価をす る。
1-3.建築物補強手法(強度補強法、靭性補強法、免震法)を検討する。
1-4.補強手法を説明するマニュアルを作成する。
1-5.構造技術者へセミナーを通じて技術情報を知らせる。
2-1.耐震構造実験を行うための機材・施設を準備する。
2-2.実験を行い、データを分析する。
2-3.耐震設計手法(せん断補強法、靭性補強法、免震法)を検討する。
2-4.強震観測を記録(地中、地表、建築物)するための機材を準備する。
2-5.地盤情報(常時微動特性、地盤性状)を収集し、データを分析・蓄積する。
2-6.土質試験・調査を行うための機材・施設を準備する。
2-7.土質試験の手法を検討する。
2-8.地盤性状に応じた地震度強度データを蓄積する。
2-9.建築物に生じる地震動入力データを蓄積する。
2-10.設計用入力地震動作成マニュアルを作成する。
2-11.構造技術者に対し、セミナーを通じて技術情報を知らせる。
2-12.技術マニュアル、基準、法規則の案を作成する。
2-13.既存構造実験データ結果のデータベース化
3-1.震災後に被害を受けた建築物の評価技術(被災建築物の応急危険度診断及び被害度判定)に関する情報を収集する。
3-2.震災後に被害を受けた建築物の評価技術を説明するマニュアルを作成する。
3-3.構造技術者に対し、セミナーを通じて震災後に被害を受けた建築物の評価技術情報を知らせる。
4-1.一般市民の防災意識を調査する。
4-2.一般市民に対し、セミナーを通じて防災意識に関する情報を知らせる。
4-3.一般市民に対し、防災意識に関する出版物を発行する。

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