ブルガリア共和国 -Republic of Bulgaria- |
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カザンラク地区地域振興 | ||
案件開始日 | 平成16年10月 | |
案件終了予定日 | 平成19年10月 | |
案 件 概 要 |
1.要請背景 | ブルガリアでは1989年の体制変革後、各政権は経済改革を実施してきたが、まだ十分な成果がもたらされている状況になく、引き続きそのための努力が払われていると同時に、これに加えEU加盟に向けた制度改革にも取り組んでいるところである。現在ブルガリア政府は最優先プログラムとして6項目を設定しているが、このうちSustainable Development of Economy and Improvement of Business Climateの項目では観光や農林業の振興による地域経済開発が含まれている。人口の約16%が首都ソフィアに集中しており経済的な一極集中は否めないものの、地方との平均給与や失業率の格差の大きさは安定した経済成長の妨げになるとの危惧が、ブルガリア政府内外からも指摘されていることが同プログラムの設定へと繋がっているとも言える。また、それに加えて、今後EU加盟に向けて地方への権限委譲が順次必要となってくることも勘案すると、加盟準備時期の今こそ中央政府だけに頼るのではなく、地方自治体・地方民間団体の共同作業による独自の開発計画の立案・実行を可能とするべく、その能力の醸成が求められてくる。しかしながら、民主化後も中央政府主導で経済運営がなされてきたブルガリアにおいては、地方の特色をまず分析理解して、その結果を踏まえた上で、各地が強みを持つ特色ある分野における経済発展のための計画を策定するといった経験が皆無であり、そのノウハウの欠如が各地域に求められているアクションを起こすための妨げとなっているのが現状である。 一方、日本では70年代からの大分県の一村一品運動や、90年代後半からの北海道における産業クラスター構想に代表されるように、地方自治体が民間企業と連携して地域産業の振興を図ってきたという経験があり、さらには2000年以降も内閣府の構造改革特区という中央政府主導の地域経済開発も念頭に置いた上での民間主導の計画として、日本青年会議所の地域産業特別区による地方のイニシアティブを活用した経済開発が打ち上げられるなど、様々な観点からの地域主導による産業開発の試みが繰り返されており、多角度的なアプローチ方法とプロセスを考えるには最適な環境が整っているともいえる。 また、我が国は3年間に渡る重要政策中枢支援によって、中小企業も含めた産業政策の策定支援を行ってきた。今後はブルガリアのEU加盟時期を睨みつつ、残り数年間で政策からより現場企業に近い分野へと、協力をシフトさせるという戦略が必要であり、地方産業に対してのより具体的な施策につながる同案件は内容的にも望ましいと思料される。 |
2.協力活動内容 | (1)ツーリズム・エリア戦略: 「カザンラクをツーリストが楽しめる魅力あるエリアにする」ための戦略で、「バラとハーブ」「歴史遺産と伝統」「農村滞在型ツーリズム」の3つのプログラムにより構成される。この3つの戦略を組合せることによりカザンラク観光の年間を通じた魅力を高めることも重要で、3テーマを融合する「エリア・ネットワーク」プログラムが提案されている。コンセプトとイメージをできるだけ明確にし、広報・パブリシティを強化することが必要である。 (2)ツーリズム・イベント戦略: 「カザンラクを多くの人々に知ってもらい、年間を通じて訪れ楽しんでもらう」戦略で、バラ祭り・トラキア王のショーなどエリア戦略との関連で特定テーマを設定し、より多くの観光客に訪れてもらう。当戦略は、カザンラクを知ってもらう、カザンラクで楽しんでもらう、シーズンオフにもカザンラクに来てもらうプログラムにより構成される。 (3)特産品戦略: 「カザンラク特有の土産品・特産品を知り、楽しんでもらう」戦略であり、特産品の開発・販売を通じて地元の雇用を拡大する狙いをもつ。当戦略には、(a)3つのエリア・プログラムとの関連でのツーリスト向け土産品の開発、(b)地元資源を活用する食料品・嗜好品など広いマーケットを対象とする特産品の開発、(c)(a)と(b)の改善・開発を奨励・支援するプログラムが含まれる。 (4)サービス・人材育成戦略: 「サービスを改善し、ニーズを充たすサービスを提供できる人材を育成する」戦略であり、サービスを提供する人々のトレーニングを重視する。当戦略には、(a)現在提供しているサービスの質的向上を図る、(b)ツーリスト・ニーズをより良く充たすためのトレーニング(トレーナーズ・トレーニングを重視)、(c)(a)と(b)のトレーニングを効果的に実施するための官民共同によるトレーニング体制の整備プログラムが含まれる。 (5)インフラ整備戦略: 「カザンラクを訪れやすく、快適で安心して過ごせる町・村にする」戦略であり、当戦略には3つのプログラムが含まれる:(a)カザンラクからの情報の発信と提供の強化、(b)カザンラクと外部およびカザンラク内部の交通サービスの向上、(c)カザンラクでの滞在を快適で安全にするプログラム。 |
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