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日本のODAプロジェクト

スリランカ民主社会主義共和国 -Democratic Socialist Republic of Sri Lanka-

技術協力
コミュニティ・アプローチによるマナー県復旧・復興計画
案件開始日 平成16年3月
案件終了予定日 平成20年3月



1.要請背景  スリランカ国(以下「ス」国)では多数派シンハラ民族(全人口の74%)と少数派タミル民族(18%)の対立が最大の懸案事項である。タミル過激派「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」は約20年間、北部・東部州分離独立を目的として政府軍と闘争を続けてきたが、ノルウェー国政府の仲介が奏効し、2002年2月に政府との無期限停戦に合意した。しかし、長期間の内戦により、北・東部州は荒廃し、80万人以上の難民・IDPが発生し(現在約34万人が帰還)、地域住民は劣悪な環境のもとで生活しており、その解決に向けたインフラ復旧整備とコミュニティの能力の復興が大きな課題となっている。
「ス」国政府の「3R政策(救済・復興・融和)」のもと、北・東部復興開発の実施方針として、IDPの再定住の促進および再定住コミュニティへの支援、並びに基本的社会基盤の修復を重点項目として挙げている。
本協力案件は、日本国政府の「平和の定着」外交と一致している。2002年10月に明石元国連事務次長を政府代表に任命し、和平プロセスに関与するとともに、「ス」国における復興開発支援を、ODAによる平和構築支援のモデル・ケースと位置づけ、被災民に平和の配当を提供するため、可及的速やかに協力を実施する方針である。対スリランカ国援助計画では、「平和の定着と復興に対する支援」と「中長期開発ビジョンに沿った援助」を援助の両輪として位置づけている。
本プロジェクトは、PROTECO(提案型技術協力、旧プロポーザル型技術協力プロジェクト)として平成14年11月に公示された結果、(株)エムアンドワイコンサルタントが提出したプロポーザルが採択され、同社のプロポーザルを基に同社とともに案件を形成することとなった。平成15年9月のプロジェクト形成調査、平成15年12月の事前評価調査、平成16年2月17日の理事会付議を経て、「事前評価結果について」(2004年2月20日付決裁、JICA(2R)第2-20007号)でその実施の妥当性が了解されたことを受け、平成16年3月にスリランカ政府と討議議事録(Record of Discussions)が署名・交換され、本プロジェクトを実施することとなった。
2.協力活動内容 活動1-1:県レベル事業実施委員会 で選定したプロジェクト候補地の中からプロジェクト対象地域を選定する。
活動1-2:プロジェクト対象地域においてワークショップを開催し、コミュニティ行動計画(CAP)を策定する。
注)CAPワークショップ: ス国において一般的に受け入れられている「コミュニティ行動計画:Community Action Plan(CAP)」策定のためのワークショップ
活動2-1:CAPに基づき、既存のCBO(住民組織)がコミュニティ・コントラクト方式で行う基礎インフラの復旧計画を策定する。
注)-コミュニティ・コントラクト方式:CBOが契約・請負主体となる方式。政府の入札ガイドラインに規定されている。政府規定の発注単価に基づいて、行政機関とCBOが 契約する。当該案件ではプロジェクトとCBOとの契約を行政機関が承認する方式をとる。
-復旧予定の主な基礎インフラは次のとおり:村落内アクセス道路、コミュニティ給水設備(井戸他)、小規模灌漑設備、農(漁)産物の共同集荷・出荷場、苗畑(農作物、果 樹、植林)、教員宿舎、多目的公民館、幼稚園
活動2-2:CBOおよび行政官に対し、コミュニティ・コントラクト方式の実施に必要な訓練を行う。
活動2-3:コミュニティ・コントラクト方式による工事を実施する。
活動2-4:復旧された基礎インフラの維持・管理方法をCBOに指導する。
活動3-1:CBOによる経済活動(農業、漁業、加工、販売)の活性化のために必要な訓練・指導や情報提供を行う。
活動3-2:地域内の社会活動(相互扶助、社会福祉、母親教室、青少年活動、伝統行事、平和教育など)の活性化を支援する。
活動3-3:CBOによる社会経済活動の運営管理方法を指導する。
活動4-1:行政官に対する参加型開発手法(CAP)の訓練を行う。
活動4-2:行政官に対する参加型開発先進地への研修旅行を実施する。


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