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日本のODAプロジェクト

バングラデシュ人民共和国 -People's Republic of Bangladesh-

技術協力
小学校理数科教育強化計画
案件開始日 平成16年10月
案件終了予定日 平成20年10月



1.要請背景  バングラデシュ国(以下「バ」国)政府は1990年に「万人のための教育」(Education for all:EFA)宣言に署名するとともに初等教育を義務化、初等教育の完全普及を目指しており、初等教育へのアクセスは90年代に飛躍的な向上を遂げた(粗就学率80%(1990年)-97%(2001年):初等大衆教育省資料)。しかしながら、小学校入学後、約3分の1(33%)の児童が小学校卒業前に中退しており(2001年現在、初等大衆教育省資料)、教育内容、教員訓練、教材等の改善を通じた児童の理解度向上、ひいては出席率や修了率向上が「バ」国初等教育の緊急課題となっている。教員訓練や教育内容改善に関して主導的役割を担っているのは初等教育アカデミー(NAPE)であるが、教員養成校や現職教員研修機関との連携が弱く、教育現場の質的向上に十分な貢献を果たせていない。したがって、NAPE-教員養成校-現職教員研修機関-学校の連携を強化し、児童にわかりやすい授業を行うための実践的な教員養成・研修体制を構築する必要性が極めて高い。1998年-2003年にはサブセクターワイド・プログラムPEDPI(第1次初等教育開発計画)がドナー諸国の支援を受けて実施され、小学校や教員リソースセンター等の建設、教員及び行政官の研修、教材開発、情報管理システム構築などが行われた。この第2フェーズとして、更なる教育の質的向上を目的としたPEDPII(第2次初等教育開発計画:2004-2010)が始動した。こうした背景から、「バ」国政府より、PEDPIIのうち特にコンポーネント2「学校および教室での質の向上」に貢献する技術協力の要請がなされた。
これを受け、要請背景、実施体制及びPEDPIIとの整合性の確認に関する事前調査を行い、プロジェクトの範囲、具体的な協力項目さらにプロジェクトの詳細等を先方関係機関と協議した。事前調査の結果を踏まえ、プロジェクトの基本計画、実施体制、双方の責任分担等について討議議事録(R/D)およびミニッツ(M/M)にとりまとめ、2004年5月に署名・交換を行った。
本案件「バングラデシュ小学校理数科教育強化計画」は、対象地域において小学校理数科の教員研修・授業の質が向上することを目的として、2004年9月から4年間実施する技術協力プロジェクトである。主な内容は、対象地域小学校理数科の教員研修講師・現場教員の授業実践力の向上、適切な理数科研修の実践、理数科研修の適切なカリキュラムと妥当な評価法の提言、NAPE-教員養成校-現職教員研修機関-学校の間の縦の連携強化、教育パッケージの開発に関する技術協力を行うことである。
2.協力活動内容 1-1 NAPE、PTI、URC、UEO及び協力校において、学習グループによる活動を行い、児童のための理数科授業の改善につながるような良質な教育サイクル(授業案 作成、実践、ふりかえり)を確立させる。
1-2 PTI及び対象地域の小学校(特にパイロット校)の学校の基礎データ・試験関連情報等プロジェクト活動(プレ・アクティビティ調査も含む)で得られたデータを蓄積 するためのデータベースを開発する。
2 NAPE、URC及びUEOにおける理数科の研修を改善する。
3 現行の理数科カリキュラムと成績評価法を分析する(特にPTIのC-in-Ed試験とパイロット校におけるクラスター内試験について)。
4 DPE、NAPE、PTI、URC、UEO及び協力校による合同スタディーワークショップを定期的に開催し(四半期に一回程度)、関係者間で理数科教育に関する問題解 決への取り組みを実施する。
5-1 学習到達度の着実な向上に資することを念頭に置き、児童向け教材及び教員指導書を中心とした教育パッケージを開発する。
5-2 本プロジェクトとPEDPⅡの整合性を広報すること及びプログラム全体へ貢献することを念頭に、PEDPⅡの年次レビュー、年間計画作成・実施、テーマ別レビュー 及び調整会議において、JICAの活動とPEDPⅡ活動の調整が図られる。
5-3 活動詳細の紹介、成功事例の共有、プロジェクト支援者の発掘等のために、NAPEニュースレターにおいて定期的にプロジェクト活動を報告する。
技術協力
農村開発技術センター機能強化計画
案件開始日 平成15年1月
案件終了予定日 平成18年1月



1.要請背景  バングラデシュ国政府は、第5次5カ年計画(97/98~2001/2002)において地域開発及び貧困緩和を重要課題の一つとしており、そのために具体的には農村インフラ整備を最優先事項としてあげている。この課題に対応すべく、地方政府・農村開発・協同組合省地方政府技術局(LGED)は、ドナーの協力のもと、農村インフラ整備事業を実施している。
現在、第3次農村インフラ整備事業として、最も貧困層が多いとされるバ国北部において、アジア開発銀行、国際協力銀行(JBIC)の協調融資のもと、LGEDが実施機関となり、農村インフラ整備事業(かんがい施設整備、農村道路整備等)が進められている。バ国政府は、同事業の一環として、JBICの融資を活用して、LGED本部(ダッカ)敷地内に農村開発技術センター(RDEC)を設立した。センターは2004年に完成した。
これまでLGEDが行った農村インフラ整備事業実施にあたっては、ドナーからの事業費で雇用されたコンサルタントがそれぞれのプロジェクトの中で計画、設計、施工管理業務を担ってきた。しかしながら、LGEDとして統一された技術基準に基づき事業を実施する体制にはなく、これの統一化が重要な課題となっている。また、各プロジェクトを適正かつ効率的に運営するにあたり、統一された技術基準に則ってLGED正規職員の体系的な技術能力向上を図ることを今後の課題としている。
このような状況の下、バングラデシュ国政府は、本センターを、LGEDにおける農村インフラ整備技術の中核となるべき組織として機能させることを目指しており、1999年4月、我が国に対し、RDECの機能強化に係る技術協力を要請してきた。
我が国は事前評価調査団及び実施協議調査団を派遣し、2002年9月25日の実施協議締結に基づき、2003年1月10日より3年間の予定でプロジェクトを実施中である。
2.協力活動内容 1-1.RDEC内にテクニカルライブラリィを創設する。
1-2.RDEC設立のパンフレットを作成・配布し、RDEC設立の意義を宣伝する。
2-1.LGED内で計画・設計・研修・維持管理・モニタリング/評価に関連する技術調査を実施する。
2-2.上記調査結果に基づき、共通技術の抽出、利用不整合の確認、不足技術・水準の特定を行う。
2-3. RDECの基本理念、権限、運営計画を検討する。
2-4. RDECの機能を強化するための、改訂を必要とする技術基準書を確認し、機材配備・施設整備を検討する。
3-1.TNA(Training Needs Assessment)調査を実施し、結果を分析する。
3-2.TNA調査結果に基づき、LGEDの持続的な機能発揮を目標とした現行の研修システム改善案を策定する。
3-3.上記2-2及び3-1の結果に基づき、不足している基本技術スキルを強化するための、新規研修コースを設立する。
4-1.RDECのステップアップ・プランの基本構想を計画する。
4-2.RDECステップアップ・プランを策定する。
4-3.RDECステップアップ・プランを開始する。
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