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ムサンナー県での最近の主な支援の動き

平成17年12月1日

 自衛隊が活動するサマーワが所在するイラク南部のムサンナー県に対しては、水・衛生、保健・医療、公共施設の復旧・整備等の分野を中心として、特に県民の生活基盤の再建に重点を置いた復興支援を実施しており、12月1日現在、ODAによる総額約228億円の支援を実施・決定しています。以下は、ODAによる支援について最近の動きをとりまとめたものです。

【電力分野における支援】

●サマーワ大型発電所建設計画(平成17年5月27日決定)

案件概要 サマーワ市に60MW(15MW×4基)の発電能力をもつ発電所を建設。
供与額 約127億円

●電力局への発電機の供与(平成17年6月15日引渡式)

案件概要 発電機9台の供与(750KVA×6台、500KVA×3台=計6MW)。集合住宅1,260世帯、小学校及び上下水道ポンプといった公共施設への電力供給が可能となる。
供与額 約1億5,000万円
小林外務省事務所長、ファヒーム電力局長、岩村業務支援隊長による握手、後方に見えるのが、供与された発電機
小林外務省事務所長、ファヒーム電力局長、岩村業務支援隊長による握手、後方に見えるのが、供与された発電機

●コルニッシュ通り発電機整備(平成17年6月15日決定)

案件概要 サマーワ市中心部ユーフラテス川沿いのコルニッシュ通り周辺地区の慢性的電力不足に対処するため、発電機(1.25MW×3台)及び変圧器(3台)の調達に必要な資金を供与。
供与額 約9,500万円


【水・衛生分野における支援】

●給水車・給水タンクの供与(平成17年7月納入完了)

案件概要 ムサンナー県に対し、給水車26台、給水タンク304基を供与し、同県における給水事情の改善に寄与。
供与額 約4億400万円
ODAによる「キャプテン翼」給水車に給水する陸上自衛隊員
ODAによる「キャプテン翼」給水車に給水する陸上自衛隊員

●浄水機・貯水タンクの供与(平成17年中に数回に分けて供与、稼働済み)

案件概要 マジッド、ヒラール、ダラージ、サマーワ郊外、ブサイヤに浄水機を計6基、サマーワ郊外に貯水タンク7基を設置し、ムサンナー県における給水活動を支援。
供与額 約2億1,000万円
完成した浄水装置外観
完成した浄水装置外観
貯水タンク(1台で100tの貯水が可能)
貯水タンク(1台で100tの貯水が可能)

●ブサイヤ井戸整備計画(平成17年1月18日決定)

案件概要 周囲を砂漠に囲まれ近くに水源を有しないブサイヤ(サマーワ南約200km)において、4ヶ所の井戸掘削に必要な資金を支援。
供与額 約2,400万円

●サマーワ市ゴミ処理機材供与計画(平成17年1月13日署名式)

案件概要 サマーワ市民生局に対し、ゴミ収集用コンテナ300基、ゴミ収集車12台等のゴミ処理機材を供与。機材は、サマーワ市内の各清掃事業地区及びゴミ処理場2箇所に配備するもの。
供与額 約6億5,800万円
供与されたゴミ収集車
供与されたゴミ収集車


【保健・医療分野における支援】

●特殊疾患クリニックへの医療資機材供与(平成17年9月25日署名式)

案件概要 結核クリニック、喘息・アレルギークリニック、歯科クリニック、中央健康検査所へ医療資機材を供与し、医療機関における検査・診療機能を回復させる。
供与額 約2億5,900万円
結核クリニックでの署名式
結核クリニックでの署名式


●サマーワ総合病院に対する医療機材供与等(平成17年6月12日供与式他)

案件概要 ムサンナー県の中核病院であるサマーワ総合病院に対し、医療消耗品(注射器、X線フィルム、点滴セット等)、医療機器(レーザー光凝固装置、尿路系内視鏡セット等)の供与及び機能回復に必要な電気、水等の一般設備及び不足・老朽化した機材の入れ替えを行うもの。
供与額 医療消耗品供与 約9,700万円
医療機材供与 約7,500万円
修復医療機材供与 約11億円
供与された機器での検査の様子
供与された機器での検査の様子


●プライマリー・ヘルス・センター(診療所)整備計画(平成17年1月13日署名式)

案件概要 ムサンナー県に所在する32箇所のセンターに対し、医療機材、発電機等を供与するもの。
供与額 約8億6,600万円


【道路・公共施設の復旧分野における支援】

●サマーワ市北部・南部道路の改修(平成17年10月25日引渡式)

案件概要 サマーワ市内の北部及び南部の道路(合計15.6km)をアスファルト舗装するもの。陸上自衛隊による砂利舗装との連携案件の一つ。
供与額 北部道路改修 約4,700万円
南部道路補修 約8,600万円
補修作業を行う業者
補修作業を行う業者

サマーワ散歩道計画

 サマーワ市中心部は、ユーフラテス河畔に位置し、多くの市民が集う憩いの場所としても重要な役割を果たしていたが、フセイン政権下の圧政、イランとの戦争による経済的疲弊、湾岸戦争後の経済制裁等のためにインフラ整備が取り残されている。「サマーワ散歩道計画」では、同市の政治、経済及び文化の中心である「コルニッシュ通り」や「女子校前通り」等の基礎的インフラ(道路、歩道及び街灯など)の総合的な整備を行い、市民に対する民生の安定や治安の向上に寄与する。

●コルニッシュ通り整備計画(平成17年9月28日起工式)

供与額 歩道整備 約4,200万円
街灯整備 約1,100万円
排水設備 約200万円

●女子校前通り整備計画(平成17年12月1日署名式)

供与額 歩道整備 約3,600万円
街灯整備 約1,100万円
排水設備 約1,000万円

●マージ・サワ道路修復計画 (平成17年2月23日起工式)

案件概要 ムサンナー県のサマーワ、マジッド、ヒラールを結ぶ生活道路25kmのアスファルト補修を行うもの。当該地域の給水、教育、医療及び農業の促進に資すると考えられる。
供与額 約2億2,100万円
鍬入れ式を行う関係者
鍬入れ式を行う関係者


【治安分野における支援】

●警察訓練プログラムに対する資金協力(平成17年10月12日決定)

案件概要 犯罪現場からの証拠収集・保全といった捜査方法や、重大犯罪(殺人・強盗等)の取り調べ及び通信等の訓練を行うプログラムに対し資金協力を行うもの。
供与額 約3億7,700万円

●警察署への機材供与 (平成17年9月15日供与式)

案件概要 ムサンナー県内6ヶ所の警察署に対し、事務所用備品、機材等を供与するもの。
供与額 約1,700万円
引渡機材の前で記念撮影
引渡機材の前で記念撮影

●防弾車両供与計画(平成17年10月配備完了)

案件概要 イラク内務省に対して、防弾車20台を供与。防弾車は、バグダッド市を中心に配備され、サマーワを含むムサンナー県には2台が配備された。
供与額 約5億9,400万円
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