平成14年5月21日
わが国政府および国連は,5月14日(木曜日)国連開発計画(UNDP)が国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)と協力して実施する「シエラレオネにおける職業訓練および経済的自立を通じた元兵士の社会復帰支援プロジェクト」に対し,人間の安全保障基金を通じ,309万ドルの支援を行うことを決定した。
このプロジェクトは,3年間に亘り,シエラレオネ東部州および北部州において元兵士の社会復帰および社会への再統合を支援するために,元兵士を対象に職業訓練や教育を行い,さらに小規模事業を立ち上げることにより雇用機会の創出を図るとともに,元兵士,国内避難民,帰還民を対象に市民としての意識向上のための啓蒙活動を実施する予定である。
シエラレオネにおいては,本年1月,10年以上におよんだ内戦の終了が公式に宣言され,5月14日には大統領・国会議員選挙の投票が行われた。この選挙は和平の継続と国土の復興に向かう大きな起点となるものとして,国際社会から大きな関心を集めている。このような状況の中,本件プロジェクトが,シエラレオネ国内における国民相互間の融和を進展させ,平和の定着に資することが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金とは,1999年3月にわが国が国連に設置した信託基金であり,現在までに総額189億円を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取組む国連関係国際機関の多くのプロジェクトを支援してきている。