重点政策・分野別政策 分野別開発政策

水と衛生に関する
拡大パートナーシップ・イニシアティブの概要
Water and Sanitation Broad Partnership Initiative (WASABI)

平成18年3月
日本政府

【位置付け】

  • ODA大綱及びODA中期政策を踏まえた「分野別援助政策」
  • 水と衛生に関する我が国援助の基本方針と具体的取組を示した政策文書
  • 日本政府として、第4回世界水フォーラム(於:メキシコ)の機会に発表

1.基本認識

  • 水は生命の根幹であり、MDGs達成のために極めて重要な要素
  • 開発途上国の多くの人々が安全な飲料水や衛生施設へアクセスできない状況
  • 水と衛生は我が国の比較優位が高く、過去5年間で46億ドルのODAを実施
  • 我が国の経験、知見や技術を活用することで質の高い援助を実施

2.基本方針

 我が国が、国際機関、他の援助国等と連携しつつ、水と衛生分野における開発途上国の自助努力を支援するための方針

(1)水利用の持続可能性の追求

  • モニタリング・予測・評価に基づく統合水資源管理計画の策定支援
  • 政策レベルと事業レベル両面への支援による持続可能性の確保

(2)人間の安全保障の視点の重視

  • インフラの維持管理・運営への住民参加と能力向上による自立支援
  • 水アクセスの欠如や自然災害リスクに対する人々の対応能力の強化

(3)能力開発の重視

  • 開発途上国政府の組織・政策・制度・情報データの整備と人材育成
  • 地域レベルでインフラ維持管理等に関する技術力や管理能力の向上

(4)分野横断的な取組による相乗効果の追求

  • 案件形成段階から他分野への効果や影響に配慮、関連分野との連携促進

(5)現地の状況と適正技術への配慮

  • 自然・社会・文化等の現地の状況や特性及び適正技術への配慮

3.具体的取組

(1)統合水資源管理の推進
 統合水資源管理の実現、国際河川流域管理の体制整備への支援

(2)安全な飲料水と衛生の供給
 1)村落地域:現地状況や能力開発に配慮した水供給、衛生施設整備
 2)都市部:資金需要対応として民間資金の活用、過渡的措置への支援

(3)食料生産等のための水利用支援
 農業用水、発電、工業用水、舟運等の多面的な水利用の推進

(4)水質汚濁防止と生態系保全
 衛生施設整備・排水規制等による水質汚濁防止、緑化や森林保全等への支援

(5)水関連災害による被害の軽減
 予警報システムの確立、地域社会の対応能力強化、治水・渇水対策施設等整備

このページのトップへ戻る
目次へ戻る