2005年3月7日
我が国は、本年が第4回世界女性会議10周年にあたることを踏まえ、開発途上国におけるジェンダー平等の推進のための自助努力を一層効果的に支援するため、第49回国連婦人の地位委員会(2月28日~3月11日、於:ニューヨーク)において、「ジェンダーと開発(GAD: Gender and Development)イニシアティブ」を発表した。 同イニシアティブの概要は以下のとおり。(GADイニシアティブ本文)
ジェンダーと開発(GAD)イニシアティブ(概要)
1.位置付け
- ODA大綱、ODA中期政策を踏まえた「分野別援助政策」
- 我が国の開発援助のあらゆる段階にジェンダーの視点を盛り込むためのPolicy Paper
- 開発途上国自らによるジェンダーに関する取組を支援
- 国連婦人の地位委員会(北京+10)の場で発表
2.基本的な考え方
- ODA大綱・ODA中期政策の改定による男女共同参画の視点の重視
- 女性のみ、重点3分野に限定される印象のあった「WIDイニシアティブ」の改定
- 女性を直接に裨益の対象としない政策をジェンダーの視点に立って策定することが重要
- 男女の生活状況やニーズの違いを事業計画段階で把握し実施の際に考慮することが重要
- 開発途上国のジェンダー平等と女性のエンパワメントに向けた取組への支援を強化
3.ジェンダー主流化のための基本的アプローチ
我が国がODAのあらゆる段階においてジェンダーの視点を盛り込むための基本的なアプローチ
(1)援助政策におけるジェンダー平等の視点の導入強化
- 国別援助計画、重点課題別・分野別援助方針等に反映
- 政策協議等を活用し、開発途上国と課題を共有
(2)ジェンダー分析の強化及び女性の参加促進
- ジェンダーの視点に立った事前評価の強化
- 援助政策の策定、事業の計画・実施段階における女性の意志決定プロセスの参加へ配慮
- 案件実施中・実施後のモニタリング・評価、効果的なフィードバック
(3)ジェンダー平等を推進する政策・制度支援
- ナショナル・マシーナリー機能強化、法律・制度支援等の開発途上国による取組支援
(4)国際社会・NGOとの連携強化
- 知見や経験の蓄積がまだ十分でない分野における支援の強化
- ジェンダーに関する概況や統計等の情報の共有
(5)組織の能力向上及び体制整備
- 職員・事業関係者の研修の強化
- ジェンダー主流化推進のための体制整備
4.ジェンダー主流化の視点に立った分野別の具体的取組
ODA大綱の重点課題に取り組むに当たり、国際開発機関への拠出や二国間援助を通じ、ジェンダーの視点を盛り込むための具体的取組を例示
(1)貧困削減:教育、保健、農村開発・農林水産
(2)持続的成長:インフラ、経済・労働
(3)地球的規模の問題への取組:環境、人権及び暴力
(4)平和の構築:人道支援・復興支援、紛争予防・再発