平成20年12月17日
(1)G8首脳は、北海道洞爺湖サミット首脳宣言において、1)我が国が推進する循環型水資源管理が決定的に重要との認識を共有し、2)エビアン・サミットで合意された「水行動計画」の実施に向けて努力を再活性化するとともに、次回サミットにおいてG8水専門家により準備される進捗報告に基づき、「水行動計画」を見直す、3)アフリカ及びアジア太平洋地域の水と衛生の問題解決に焦点を当てる、4)国際衛生年である本年、各国政府に対して衛生へのアクセスを優先課題とするよう呼びかける、ことに合意。
(2)上記首脳宣言に基づき、G8水と衛生に関する専門家会合が設置され、その第1回会合が、我が国議長の下、12月16~17日、北海道帯広市とかちプラザにおいて開催され、水と衛生の問題に関してG8首脳が示したコミットメントを具体化するためにG8の水と衛生に関する専門家が議論を行った。同会合では、各機関より水・衛生分野における活動内容及び同分野の現状に関する見方等についての説明があり、引き続き意見交換が行われた。
(1)G8各メンバーから1~3名、計16名の専門家が参加。本年のG8議長国である我が国の渡邉正人外務省国際協力局参事官が会合の議長をつとめた。首脳宣言によりG8水と衛生に関する専門家に課されている「G8エビアン水行動計画」(2003年仏エビアン・サミットにて採択)の進捗報告の作成に関する事項の他、G8としての水と衛生に関する実施戦略に関して、G8メンバー間で忌憚のない議論、意見交換が2日間に亘り集中的に行われた。
(2)また、首脳宣言には、「我々(G8首脳)、はアフリカのパートナー諸国との間で、より良い実施戦略の策定について協議する」とあり、アフリカでの実施戦略策定については、アフリカ側のニーズや優先事項が十分に反映されるものとするためにアフリカ側と直接の対話を行うことが好ましいとの考えから、アフリカ水閣僚評議会(AMCOW)の代表等を招待し、G8との対話が行われた。
(3)更に、今後のG8の作業の重要な参考にするとの観点から、UN-Water、国連水と衛生に関する諮問委員会(UNSGAB)、世界銀行、アジア開発銀行、アフリカ開発銀行、経済協力開発機構(OECD)の代表が参加する会合が17日午前中に行われた。
(4)開催地の帯広では、本会合の準備に当たり歓迎実行委員会が設置され、北海道とも協力しつつ万全の準備が行われ、16日の夕刻に歓迎レセプションが開催されるとともに、会合の円滑な運営のために様々な形で協力が行われた。会合の参加者からは、地元関係者の暖かいもてなしについて感謝の意が幾度となく表明された。また、地元メディアは本会合を大きく取り上げた。
本会合は、本年7月の北海道洞爺湖サミットにおける首脳間の合意を具体的な成果とするためG8各メンバー間、更には関係の地域パートナー及び国際機関の代表との間で忌憚のない議論、意見交換が行われた結果、今後の作業の方向性について一定の共通認識が醸成されるなど、来年のイタリアでのG8サミットに向けた一連の取組のための有益なスタートとなった。