
美しい星へのいざない 「Invitation to Cool Earth 50」
(概要)
平成19年5月24日
【問題提起】
- 京都議定書を超えて、世界全体が参加する排出削減のための新たな枠組み作りが必要。
- 新たな枠組み作りという試みに対して次の3つの懸念が表明さているが、いずれの懸念も克服可能。
(第1に)排出削減に取り組むと、経済成長が阻害されるのではないか?
(第2に)自国が取組んでも他国が取組まなければ、問題解決にならないのではないか?
(第3に)途上国に対策を求めるのは不公平ではないか?
- 我が国は深刻な公害や石油危機を乗り越え、GDPを2倍とする中で石油消費を7%減少。
問題解決の鍵は、優れた技術、環境と調和した社会の仕組みや伝統、私達の意志。
【提案の全体像】
- 本日、皆様を2050年の美しい星、地球に招待したい。
- このため、次の3つの柱からなる「美しい星50(Cool Earth 50)」というパッケージを提案。
【提案(1):世界全体の排出量削減のための長期戦略の提唱】
- 「世界全体の排出量を現状から2050年までに半減」という長期目標を世界共通目標として提案。
- その達成のため、「革新的技術の開発」と「低炭素社会づくり」という長期ビジョンを提示。
【提案(2):2013年以降の国際枠組み構築に向けた「3原則」の提唱】
- 2013年以降の温暖化対策の具体的枠組みを設計するための「3原則」を世界に提案。
(第1)主要排出国が全て参加し、京都議定書を超え、世界全体での排出削減につながること。
(第2)各国の事情に配慮した柔軟かつ多様性のある枠組みとすること。
(第3)省エネなどの技術を活かし、環境保全と経済発展とを両立すること。
- 我が国として志の高い途上国の支援のために新たな「資金メカニズム」を国際協調で構築。
- エネルギー効率の向上の取組を世界に拡大。原子力利用拡大の国際取り組みや基盤整備の支援。
- 公害対策と温暖化対策の一体的取組、排出量取引、経済的インセンティブなどの手法を検討。
【提案(3):京都議定書の目標達成に向けた国民運動の展開】
- 京都議定書の6%削減目標達成に向けて、京都議定書目標達成計画を見直す。
- 政府の率先的取組みを進め、自治体や主要な業務部門の行動の加速化を促す。
- 「国民運動」を展開し「1人1日1キログラム」削減のモットーの下で様々な努力や工夫を呼びかけ。また、国民運動の展開について、新しい提案を公募し、採用する。
【結び】
- 「美しい国」という私の考えは、地球環境との調和を図りつつ人類が発展を続けるため、文明のあり方を転換すべきではないかとの問題提起でもある。「美しい星」の実現に向け、手を携えて、共に取り組もうではありませんか。