平成21年4月3日
(1)3月31日から4月2日、ドイツ・ボンにおいて、「持続可能な開発のための教育(ESD)世界会議」が、ユネスコ及びドイツ教育省の共催、ドイツ・ユネスコ国内委員会の協賛により、開催された。2005年から開始された「国連・持続可能な開発のための教育の10年(UNDESD)」の中間年に当たる本2009年において、UNDESDのこれまでの取組、後半5年間の国際社会としての行動のあり方等に関する意見交換を目的としたこの会議には、世界の各国・地域より、大臣級をはじめとする政府関係者、各国のユネスコ国内委員会及び関係国際機関関係者、教育関係者、学識者、市民社会等広範なステークホルダーが出席した。我が国からは、玉井文部科学審議官、山本ユネスコ代大使他外務省、文科省、環境省より約10名が出席した。
(2)会議は、全体会合、大臣級のハイレベル・セグメント、ESDと関連する諸課題をテーマとする数多くのワークショップから構成され、主にESDのこれまでの進捗に係る評価、今後の課題等に関し、様々な観点から議論が行われた。
(3)31日午前の開会式では、松浦ユネスコ事務局長より開会挨拶(バーネット同事務局次長による代読)があり、UNDESDへのこれまでの取組の成果と今後の課題について述べると共に、UNDESDの最終年(2014年)に日本にて締めくくり会合を開催するとの日本の提案を歓迎する旨の発言があった。また、主催国ドイツよりシャバーン連邦教育大臣他が行われた。
(4)31日午後には、50カ国以上の大臣級の代表の参加を得てハイレベル・セグメントが開催された。我が国からは、玉井文部科学審議官がステートメントを行い、アジア太平洋地域の国を代表して、我が国のESDの取組に対する貢献やアジア太平洋地域の取組を紹介するとともに、2014年のUNDESD締めくくり会合を日本で開催する意図を表明した。
(5)今次世界会議の成果文書については、専門家及び各地域代表から構成される委員会により宣言案起草が行われ、4月2日の最終会合において、今後の更なるESDの推進とUNDESDの成功に向けて、各国政府、ユネスコを含む参加者の決意を表明すると共に、各ステークホルダーによる具体的に行動を呼びかける「ボン宣言」が拍手を以って採択された。
(1)我が国主導により2005年から開始されたUNDESDの中間年に、これまでの取組、今後5年間の行動のあり方等に関し、我が国を含む多数の国から大臣級を含め広範なステークホルダーが参集し、意見交換を行ったことはESDの地球規模での更なる推進に向け、大きな意義があった。
(2)成果文書たる「ボン宣言」では、日本がUNDESDの締めくくり会合をユネスコと共催で開催するとの意図が歓迎されており、今後、我が国がESDの更なる推進において、引き続き主導的な役割を果たしていくことについての国際社会の期待が再確認されたと考えられる。