1月16日,三田共用会議所において,「ハーグ条約シンポジウム-国際家事調停の在り方を巡って-」が外務省主催,日本仲裁人協会協力,日本弁護士連合会後援により開催されました。同シンポジウムは,国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)の適用を受ける子の連れ去り等の問題における調停について豊富な経験を有する英国及びドイツの専門家による各国の経験と知見の共有,そしてハーグ条約の発効後に我が国においてどのような国際調停の仕組みを有することが望ましいか等についての意見交換等を通じ,我が国における国際家事調停の在り方を議論することを目的として開催し,国内外から豊富な経験を有するパネリストを招き,約180名の聴衆が参加して,活発な議論が行われました。
1.開会挨拶
冒頭,鈴木俊一外務副大臣による開会挨拶が行われました。
2.基調講演
続いて,英国のアン・マリー・ハチンソン弁護士(Dawson Cornwell法律事務所パートナー,reunite理事長)より,「国境を越えた子の監護紛争とハーグ条約・調停の在り方」についての講演が行われ,その後,鈴木五十三弁護士(日本仲裁人協会国際家事調停の私的調停スキームに関する研究会座長)が「ハーグ条約事案への対応に当たっての日本における国際家事調停の課題」と題して講演を行いました。
3.パネルディスカッション
引き続き,モデレーターに大谷美紀子弁護士(日本仲裁人協会国際家事調停の私的調停スキームに関する研究会会員・日本弁護士連合会ハーグ条約に関するワーキンググループ副座長)及び佐野みゆき弁護士(日本弁護士連合会ハーグ条約に関するワーキンググループ委員)を迎え,「ハーグ条約の枠組みにおける調停~イギリス・ドイツの経験に学ぶ」をテーマとしてパネルディスカッションが行われました。ドイツのクリストフ・コルネリウス・パウル弁護士(Mikk理事長),イギリスのサンドラ・フェン・ハーグ条約調停専門家(reunite),棚村政行早稲田大学法学学術院教授,相原佳子弁護士(日本弁護士連合会ハーグ条約に関するワーキンググループ委員),鈴木五十三弁護士,宮島昭夫外務省総合外交政策局長補佐官の6名によるパネリストが調停のメリット,各国の調停における経験,言語問題や必要な支援などの日本における調停に関する課題等について意見交換を行い,最後に会場からの質問に答えてシンポジウムを終了しました。
4.会場配布資料
- (1)プログラム(PDF)
- (2)アン・マリー・ハチンソン弁護士資料(資料1(PDF)
,資料2(PDF)
,資料3(PDF)
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- (3)鈴木五十三弁護士資料(PDF)
- (4)サンドラ・フェン・ハーグ条約調停専門家資料(reuniteホームページ参照:http://www.reunite.org/
)
5.議事録
外務省主催シンポジウム ハーグ条約シンポジウム ―国際家事調停の在り方を巡って―(PDF)