経済

G20ソウル・サミット:首脳ワーキング・ディナー

平成22年11月11日

 11日19時30分から21時20分まで,約2時間にわたり,G20ソウル・サミットの首脳ワーキング・ディナーが開催されたところ,議論の概要以下のとおり。

  1. 多くの首脳は,回復は続いているが国・地域毎にばらつきがあり,多くの不確実性があるとの認識を示し,その上で,ピッツバーグ・サミットで合意した成長のためのフレームワークに沿って,協力を継続することが重要である旨一様に強調していた。

     また,依然として世界的な不均衡が存在しており,各国が協力して対応する必要がある,そのためには,黒字国,赤字国の双方ともに具体的な行動をとるべきとの発言があった。具体的には,赤字国については財政再建や貯蓄の増加,黒字国については内需拡大が重要との指摘があった。為替については,数名の首脳から,市場が決定する為替レートが不均衡是正のために重要との発言があり,その上で,フレームワークにおける協力強化のため,今後,参考となるガイドライン を含めた議論が必要との意見が示された。

  2. こうした流れの中で,菅総理は概要以下のとおり述べた。
    • 不均衡の是正は持続的成長のために重要。経済のファンダメンタルズを反映し,より市場で決定される為替システムへの移行,通貨の競争的な切り下げ回避,準備通貨を持つ国々を含む先進国による通貨安定のための協力強化が必要である。
    • 対外不均衡を評価するG20の取組の継続を支持する。我が国については,経常収支黒字の大部分は所得収支黒字であり,現在の対外不均衡を議論する際には除外されるべきである。また,人口動態にも配慮が必要である。
    • また,我が国の取組として,「財政運営戦略」に基づく財政健全化の進展とともに,「新成長戦略」の前倒しを図り,世界経済の成長に貢献する。
    • さらにAPEC議長として,G20の議論を踏まえ,アジア太平洋地域の成長に向けた道筋を示す。
  3. また,本日の議題ではないものの,いくつかの国から世界経済の回復において貿易の果たす役割は重要であり,近年の保護主義的な動きを懸念するとともに,WTOドーハラウンドの早期妥結を期待するとの意見もあった。
  4. なお,ディナーに先立って開催されたレセプションにおいて,菅総理は横浜APECに参加するオバマ米大統領,リー・シェンロン・シンガポール首相等と挨拶を交わし,横浜でお会いすることを楽しみにしている旨述べた。
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