
菅総理のG20ビジネス・サミットへの出席
平成22年11月11日
11日14時30分から15時00分にかけて約30分間,菅総理はソウルのシェラトン・グランドウォーカー・ホテルにおいて開催された,G20ビジネス・サミットの「貿易・投資」に関するラウンドテーブルに出席したところ,概要以下のとおり。
同ラウンドテーブルでは,約30人のビジネス界の出席者とともに「貿易の再活性化」をテーマとして活発な意見交換が行われた。なお,我が国ビジネス界からは,小林善光・三菱化学株式会社代表取締役社長他が出席。
- 冒頭,菅総理から概要以下のとおり発言。1)貿易は持続的成長のために不可欠。金融危機後に縮小した貿易につき,G20は保護主義の抑止や貿易金融の拡充など,その克服のために貢献。2)最近,資源や食料分野を含め,貿易障壁や輸出規制などの動きや競争的通貨切り下げへの懸念が生じており,G20として,保護主義抑止のための具体的行動を示すべき。3)APEC議長として,「アジア太平洋地域をより自由で開かれたものにすべく,多角的貿易体制の支持と保護主義の抑止を明確に打ち出すこと」に取り組み,「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定について,国内の環境整備を早急に進めるとともに,関係国との協議を開始する」。4)WTOドーハ・ラウンド交渉妥結のため,G20各国が世界経済における地位に応じた責任を果たすべき。
- その後,参加者の間で自由討論が行われた。
- (1) ビジネス界の参加者からは,持続可能な経済成長のためには貿易はきわめて重要であり,G20サミットは貿易・投資を恒常的に扱うべき,G20首脳がドーハ・ラウンドの早期妥結を支持することが重要であり,2011年末までの交渉妥結を明確にコミットすべき,保護主義については現状維持だけではなく 2008年経済危機以前のレベルに戻すべき,貿易の維持拡大のための貿易金融の重要性等について指摘がなされた。
- (2) これに対して菅総理より以下の通り述べた。世界経済についての貿易の重要性に関する指摘やG20首脳が2011年中のドーハ・ラウンド妥結にコミットすべきとのご意見についてはG20の同僚に伝えたい。貿易金融については引き続き強化したい。自分はAPEC議長として,「二国間や地域の様々な取り組みが行われているがグループごとの自由化に終わるのではなく,ドーハ・ラウンドを進め世界全体の貿易自由化につながるようにAPEC首脳会議における議論を進めていきたい。」