経済

2012年開発作業部会報告書(主なポイント)

平成24年6月

1.前文

2.開発における主要課題

(1)包摂的なグリーン成長

  • 先進国及び途上国双方における包摂的なグリーン成長は,持続可能な開発の達成のために不可欠であることを認識する。
  • 包摂的なグリーン成長はすべての国にとって課題であるとともに,効率性,イノベーション,包摂性及び環境の衝撃に対する強じん性を通じた利益を含む機会も提供する。
  • 我々は,包摂的なグリーン成長のための政策選択肢を定めた非規範的なツールキットに関する国際機関の作業を歓迎し,途上国と協議を行いつつこの作業を更に進展させ,途上国による政策の実施を支援することを期待する。
  • 我々は,ツールキットの目的を達成するため,グローバル・グリーン成長研究所(GGGI),経済協力開発機構(OECD),国連環境計画(UNEP)及び世界銀行がグリーン成長ナレッジプラットフォームを通じた知見の共有を促進する取組を歓迎するとともに,知見やベスト・プラクティスを促進する地域の取組を歓迎する。
  • 我々は,途上国の包摂的なグリーン成長のための投資に民間資金を動員するための既存の仕組みをレビューする国際金融公社(IFC)の取組を拡大することを勧告する。この取組は,商業的な投資を拡大することを目指す,官民による包摂的なグリーン投資のための協議プラットフォーム構築の第一歩となる。
  • リオ+20の成果等を考慮し,開発作業部会の中でより長期的な観点から包摂的なグリーン成長に関する作業を行う必要性を認識する。包摂的なグリーン成長とソウル複数年行動計画の柱の潜在的な関連性について,更に議論を行うことを期待する。

(2)インフラ

  • インフラ投資は,持続可能な経済成長,貧困削減,雇用創出及び社会的な発展に不可欠である。
  • 我々は,国際開発金融機関(MDBs)の行動計画及びインフラに関するハイレベル・パネル(HLP)における勧告の実施が大きく進ちょくしていることを歓迎し,プロジェクト準備ファシリティのレビューの実施,建設部門透明性イニシアティブの拡大等を含むカンヌで支持された勧告の実施を期待する。
  • HLPの評価に基づき策定された「低所得国におけるリスク及び収益に関する誤った認識への対処」に関する報告書を歓迎し,ビジネス20がこの報告書を配布し,その結論について適切に考慮することを奨励する。
  • 我々は,効率的で持続可能な都市交通のインフラ・プロジェクトは強じんで持続可能な成長に重要な役割を果たしていることを認識し,「途上国における大・中規模都市における大量輸送インフラ・プロジェクトに係るベスト・プラクティス」に関する報告書を歓迎し,開発作業部会の報告書で示されたフォローアップの行動を承認する。

(3)食料安全保障

  • 食料需要の増加,構造的な貧困,資源の枯渇,不十分な農業生産性,気候変動,一次産品の価格変動,栄養不足,女性の土地・資本への限定的なアクセスを含むジェンダー不平等,バリューチェーンを通じた損失,インフラの不足等,様々な課題が依然として存在している。
  • 我々は,ソウル複数年行動計画と2011年開発作業部会報告書における全ての既存のコミットメントと既存のイニシアティブの実施に向けて作業を継続する決意を再確認する。
  • 我々は,食料安全保障の主要な課題に対処するため,開発のための農業研究及びイノベーションの重要性を強調し,技術移転と知見の共有を促進する。
  • 我々は,新たな農産品の開発及び活用に向けた民間セクターのイノベーションを奨励するために農業における市場の失敗を克服することにより,貧困層及び脆弱な人々のための食料安全保障を改善することを目的とする,「農業におけるプルメカニズム」の力強い進展を歓迎する。
  • 我々は,西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)のリーダーシップの下での緊急人道食料備蓄のための試行プロジェクトの前進を奨励する。また,ASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)が緊急人道食糧の必要性の緩和に貢献することを期待する。
  • 我々は,すべての国が責任ある農業投資原則(PRAI)を支持するよう奨励し,その実地試験を行うための試行プロジェクトの進ちょくを歓迎する。また,「国家の食料安全保障の文脈における土地所有,漁業,森林の責任あるガバナンスのための任意ガイドライン」の国レベルでの実施も支持する。

3.今後の行程

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