平成24年5月
我々は,サミットに向けて(1)昨年の食料価格乱高下及び農業に関する行動計画(以下,行動計画)の進ちょく状況,(2)持続可能な農業生産の増大及び生産性の向上に関する報告書を発表。
本年の食料安全保障に関する作業の中でも,行動計画の実行は最優先課題の一つ。
主要な成果は以下のとおり。
国際貿易は食料安全保障を改善し農業の生産性を向上する上で重要な役割を果たし得ることを認識。
2011年のカンヌ・サミット最終宣言に述べられているように,農業生産の増大と生産性の向上は食料安全保障を推進し,持続可能な経済成長を保持するためには不可欠。
国際機関による報告書「持続可能な農業生産性の向上及び小規模家族農家のための格差縮小」の作成作業を認識。報告書では持続可能な方法で世界的に農業の生産性を上昇させることに焦点をあて,小規模家族農家に重点化した協力の取組が可能な分野の提言をとりまとめ。
農業の多様性を考慮しつつ,経済的,社会的及び環境的に持続可能なかたちで生産及び生産性を増加させることは世界が直面する最重要課題の一つ。食料市場の強じん性の強化,食料安全保障の強化,福利の向上,地域経済の促進,正の外部経済性及び土地,水,生物多様性といった天然資源の持続可能な利用への貢献等においてもグローバルな効果あり。
ポストハーベストロスの効率的削減,及び品質向上による市場競争力強化の必要性を認識。G20におけるベスト・プラクティスの共有を奨励。バリューチェーン・アプローチの探求を奨励。
農業技術革新システム(AIS),特に各国の生産に関する研究開発の重要性に鑑み,研究開発の効率的管理のための国際協調の強化に向けた,更なる方策の検討にコミット。
農業革新システムについての経験の交換及び政策対話をハイレベルで促進するため,GCARD(開発のための農業研究グローバル・カンファレンス),G20主席農業研究者会議,またはハイレベル農業研究責任者会議を開催。
途上国研究者の能力構築,知見の共有と移転を通じた農業研究協力に尽力。
途上国への任意の官民技術移転を促進する効率的なメカニズムを促進し,各国の知的財産に関する権利のフレームワークを改善するための支援の重要性に留意等。
GRiSP(米に関するCGIARの研究プログラム),CARD(アフリカ稲作振興のための共同体)等を通じた米の研究を支援するとのコミットメントを再確認。
気候変動に関連したよく知られた事例や技術の重要性,革新の必要性を認識。研究開発における協力強化を奨励。国連気候変動枠組条約の原則に沿った形での,気候変動と食料安全保障の関連づけを促進するための国際協調の強化が必要。農業温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)において進行中の作業に留意。
水の利用の効率性向上や水質保持の重要性を認識。
持続可能な農業生産性の向上において女性農業者及び男性農業者の役割が等しく重要であることを認識。
すべての参加者と国際機関に,世界の食料安全保障強化のために支援と国際協調の推進を継続することを要請。