
G20ピッツバーグ・サミット:首脳ワーキング・ディナー
平成21年9月24日
24日20時15分から22時24分まで、ピッツバーグのフィップス温室植物園において首脳ワーキング・ディナーが開催されたところ、議論の概要以下のとおり。
- 冒頭、オバマ大統領より、今次サミットの場所としてピッツバーグを選んだ理由につき、一時期衰退を経験しながら鉄鋼の街からハイテクの街へと再生した歴史に触れつつ説明があった。その後、主として国際金融機関の改革を中心に議論が進んだ。
- 各国とも、今時危機発生後の対応において国際金融機関が果たした役割につき評価した。IMF及び世銀のガバナンス改革に関連し、IMFの出資割当額比率(クォータ・シェア)や世銀の投票権見直しにおいて、新興経済国・途上国の代表性を向上させる必要性については認識の一致があった。一方、その具体的な手法については、様々な意見があり、詳細について更に議論することになった。
- 鳩山総理は、まず地元である室蘭がピッツバーグと同様、鉄鋼の街から環境の街として再生していることに触れつつ、なぜピッツバーグが全米で最も住み易い街とされるようになったか、短い訪問であるが今般の滞在から学びたい旨述べた。さらに、失業率の上昇傾向に触れつつ日本経済が完全に危機から脱しているとは言えない旨述べた後、世界経済の回復のためにIMFの役割は益々重要になっている旨発言。IMFクォータについては、新興経済国・途上国へのシフトは重要とした上で、経済実態が的確に反映されるべきであり、先進国にも十分に反映されていない国がある旨述べた。
- ワシントン・ロンドン両サミットを通じて、これまでG20サミットが世界経済に果たしてきた役割についても多くの議論がなされた。特に財政・金融政策を中心とするマクロ政策協調や金融改革について各国より高い評価が示され、今後ともG20を重視していくことで認識の一致があった。
- 鳩山総理は、G20サミットを重視していく旨述べた上で、今次政権交代に触れつつ、G20サミットは政治主導のフォーラムであることが重要であって、メンバー国が多いだけに意見の収斂が難しく事前調整は必要であるが、それだけに官僚的になりかねず、首脳自身が指導力を発揮することが必要である旨発言した。また、G20に参加していない国の意見を反映させる努力も払うべきであり、日本としても貢献していきたい旨述べられた。