(a)我々は、世界でダンピング防止措置の使用が増加していることを認識し、こうした措置が濫用されれば、貿易を阻害し国内産業の不公正な保護となり得ると考える。
(b)ダンピング防止措置の濫用の可能性を認識した上で、我々は、本協定との関連で両政府が保護主義的な目的で当該措置を用いるべきではないと決意する。さらに、我々は、一方の政府が、「千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定」に基づき、適切に作成された申請書を受領した後、調査を開始する前に、他方の政府が当該案件に関する見解を表明することができるよう、当該他方の政府に対し、できる限りすみやかに関連情報を提供しつつ通知すべきであることを確認する。一方の政府は、他方の政府によって表明された見解に妥当な考慮を払わなければならず、要請がある場合には、協議の可能性を検討すべきである。我々は、本協定との関連で、各政府はダンピングが自国の経済に及ぼす影響に対処するために真に必要な限りにおいてのみダンピング防止措置を用いるべきであると決意する。
(c)我々は、ダンピング防止措置は、手続における透明性のみならず、措置の適用における公正性と一貫性をも確保する、強固で明確な規律に基づいて講じられるべきであるとの確信を強調する。このため、我々は、両政府が、ダンピング防止措置に関する規律を明確にし、改善し、強化していくために、特に世界貿易機関の枠組みにおいて両政府間の協力を継続し、強化していくことの必要性を確認する。
2009年2月19日
中曽根弘文
日本国外務大臣
ドリス・ロイタード
スイス連邦副大統領兼経済大臣