拝啓
日・メキシコ経済連携協定の発効一周年を、貴大臣と共に祝うことができるのは、私の喜びとするところです。
中南米諸国との経済関係の強化は日本の対中南米政策の最重要課題であり、日・メキシコ経済連携協定は、その重要な柱をなすものです。この協定の発効からおよそ一年間の日メキシコ経済関係を振り返ると、両国間の貿易額は、前年比で30%以上増加するとともに、投資についても拡大する動きが見られます。
また、両国政府は、昨年4月1日の合同委員会の開催を始めとして、ビジネス環境整備委員会や協定の分野毎に設けられた小委員会を着実に開催するなど、協定の効果的な実施に努めて参りました。
この協定の締結により、日メキシコ両国の政府及び民間双方の関係者が、これまでにない協力関係を築き、多面的な経済関係の発展が促されてきています。
このような経済関係の活性化に加え、昨年はメキシコが愛・地球博へ参加した一方、日本もセルバンティーノ国際芸術祭に招待国として参加し、また、両国の文化人が集い、日墨文化サミットが開催されるなど様々な分野での交流が活発化してきております。
特に、本年3月中旬には、皇太子殿下がメキシコを御訪問になり、第4回世界水フォーラムに御臨席されるとともに、フォックス大統領を始めとする貴国要人と親交を深められたほか、ウシュマル遺跡やセレストゥン生物圏保護区を御視察され、貴国の歴史と美しい自然に触れられました。皇太子殿下の御訪問に際しての貴国の心温まる接遇にお礼申し上げます。
本年2月には、貴国が主催して人間の安全保障ワークショップが開催され、昨年9月に採択された国連首脳会合成果文書を踏まえ、有意義な議論が行われました。今後も、人間の安全保障の分野を始めとして、国際社会の諸課題について、貴国と緊密に協力していきたいと考えています。
このように、日メキシコ関係が、幅広い面で拡大していることを嬉しく思います。今後も引き続き、日・メキシコ経済連携協定を基礎に、「戦略的パートナーシップ」の深化のために、貴国と協力して参りたいと考えております。
敬具
平成18年4月1日
日本国外務大臣 麻生太郎
メキシコ合衆国外務大臣
ルイス・エルネスト・デルベス・バウティスタ 閣下