平成17年6月
外務省、財務省、農林水産省、経済産業省
(1) 昨年11月APEC首脳会談の際にユドヨノ大統領から小泉首相に対して「両国の緊密な経済関係をさらに推進するために経済連携協定(EPA)は重要である」旨の発言がなされた。
(2) 昨年12月16日、中川経済産業大臣とマリ商業大臣は、日本・インドネシア二国間の経済連携のあり方に関する共同検討グループを立ち上げることについて意見の一致をみた。
(3) 本年1月6日、町村外務大臣とカッラ副大統領は、日インドネシア経済連携に係る共同検討グループの会合を4月までに3回開催し、両国間のEPA交渉の立ち上げの是非等につき結論を出すことで意見の一致をみた。
(4) 以上を受け、共同検討グループは、両国の産業界及び学界からも参加者を得つつ、3回の会合を行い、両国首脳への提言を含む本報告書を作成した。
(1) 両国間の経済関係の概観、共同検討グループにおける議論の概容、提言等から構成されている。
(2) 各分野における主な議論の内容は次のとおり。
(イ) 物品の貿易自由化は、日インドネシア両国の経済連携強化のための重要な要素。日インドネシアEPAにはWTOルールと整合的な自由貿易協定の要素を含むべきである。農林水産分野においては、両国のセンシティブな品目に配慮しつつ柔軟性をもって交渉を行う必要がある。
(ロ) 原産地規則は、日ASEAN包括的経済連携協定と整合性がとれたものとすることが好ましい。
(ハ) 税関手続については、日本側より透明性の確保、情報交換等が盛り込まれるべきである旨主張。
(ニ) 投資・サービス貿易は二国間EPAにおいて重要な分野である。
(ホ) 知的財産、競争政策等の分野では、両国の協力を進展させることが重要である。
(ヘ) 人の移動については、インドネシア側は様々な関心を示しているが、日本側は専門職従事者あるいは技術者の受入に限って議論を行うべきとの立場。
(3) こうした議論を踏まえ、共同検討グループは、幅広い分野をカバーする日インドネシア二国間のEPAが、日インドネシア両国の緊密な経済関係を一層発展させることに寄与することを確信し、本年4月より開始される日ASEAN包括的経済連携協定交渉と並行して、日インドネシア二国間EPA交渉を開始することを双方の首脳に提言することで一致した。
また、交渉にあたっては、できるだけ高いレベルの自由化・ルール整備を目指すと共に、両国のセンシティブ分野の存在を認識しつつ、建設的、積極的かつ柔軟性を持って交渉することや日ASEAN包括的経済連携協定交渉の進捗を考慮に入れることを原則とする旨確認した。
さらに、両国は、本交渉をできるだけ早期に開始するとともに、合理的な期間内で交渉を終結すべきであるという認識で一致した。