経済

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)
運営準備委員会第3回会合
(概要と評価)

平成22年1月27日


1.概要

 1月17日、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の運営準備委員会第3回会合が、120か国以上のIRENA憲章の署名国の代表及び関連機関から総勢500余名の参加を得て、同暫定事務局が置かれているアラブ首長国連邦の首都アブダビにおいて開催された。同会合には、田辺靖雄外務省経済局審議官を代表とし関係省庁(農水省、経産省)及び在ア首連大使館から計6名が出席した。

(1)署名式及び演説

 今次会合では、キルギスタン、セントビンセント及びグレナディーン諸島、南アフリカが新たにIRENA憲章に署名し、署名国は141か国及び欧州連合となった。また、アブダッラー・ア首連外相のスピーチの中で、サウジアラビアが署名間近であることが発表された。なお、IRENA憲章は、25番目の批准書が寄託された日の後30日目の日に効力を生ずるが、現時点における締約国は8か国である。
 次いで、ハイレベルセグメント・セッションにおいて、田辺靖雄外務省経済局審議官が日本政府としては国会の承認を得た上でできるだけ早い時期にIRENA憲章を締結したいと考えており、IRENAの発展のために、財政面や人材面のみならず知識面でも貢献していく旨述べた。

(2)2009年作業の報告等

 エレン・ペロスIRENA暫定事務局長から、昨年実施された主要事業として、(イ)暫定事務局事務所の開所、(ロ)人材の採用(23名)、(ハ)国際機関、NGO、NPO等とのネットワーク構築、(ニ)キャパシティー・ビルディング・ワークショップ開催、(ホ)COP15でのサイド・イベント開催、及び(ヘ)運営準備委員会第3回会合及び行政委員会の準備について報告が行われた。
 また、暫定事務局から、IRENAのビジョン(近代的かつ効果的な再生可能エネルギーがすべての国においてアクセス可能であり、主要なエネルギー源の一つとなる世界を目指す等)及びミッション(あらゆる形態の再生可能エネルギーの採用が広範に行われ、かつ、増大すること及びその利用が持続可能であることを促進する等)が示された。

(3)決定事項

 今次会合において、(イ)2010年作業計画及び予算、(ロ)諸規則(財務規則、職員規則、退職金基金設定等)、(ハ)暫定事務局のガバナンスに関する取決め、及び(ニ)幹部職員採用検討委員会の設置が採択又は決定された。
 また、ホスト国契約書、出向契約書等に関しては、引き続きワーキング・グループにおいて検討を続けることとなった。

(4)次回会合

 運営準備委員会第4回会合(IRENA憲章が発効している場合は第1回総会)は、本年10月に開催することとし、また、その準備のために行政委員会を、5月及び10月に開催することとなった。


2.評価

(1)今次会合においては、IRENAが掲げるビジョンや今後のミッションが示され、また、暫定事務局の運営に関し、数々の規則や、ガバナンスの在り方、人材採用の進め方等IRENAが国際機関として活動していく上で必要となる事項につき様々な決定がなされた。

(2)暫定事務局の早期人材確保の一環として13名の出向者の受入れが発表されたことは、事務局の体制整備に寄与し、今後暫定事務局の本格運営が可能となるものとして評価される。

(3)暫定事務局は今次会合の成果に基づき、新たな国際機関の設立に伴う問題(諸規則の策定、人材の採用、組織の在り方の検討、作業計画の実行等)に取り組んでいるところ、我が国としても引き続き積極的に支援や助言を行っていく考え。



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