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米国における対日世論調査(概要)

平成19年6月25日

 2007年の米国における対日世論調査の結果について、主要ポイントは以下の通り。なお、本件世論調査は1960年以来ほぼ毎年実施しているものである。

1.結果概観

(1)今回の調査では、全体として良好な対日観、日米関係への評価が示され、ここ数年続いている傾向が維持された。対日信頼度は一般の部で74%、有識者の部で91%で、いずれも過去最高の高いレベルとなった。また、一般、有識者の部の双方において、現在の日米協力関係を良好と考える割合が昨年を更に上回り、過去最高(一般:67%、有識者:86%)となった。日米は共通の価値観を有していると考える人の割合も昨年同様高いレベルを示した。(一般:83%、有識者:94%)

(2)アジアにおける最も重要なパートナーとして日本を挙げる割合は一般の部、有識者の部とも昨年より増加した。(一般:昨年45%→本年48%、有識者:昨年47%→本年53%)

(3)日米関係の改善のために有効な方法に関しては、「経済・貿易関係の改善」と答える割合が一般、有識者とも36%と一番高いが、近年、「地球規模問題における協力促進」の割合が増加している。

(4)日米安保条約については、大多数(一般:87%、有識者:88%)が維持すべきと回答している。また、日米安保条約が米国自身の安全保障にとっても「極めて重要」あるいは「ある程度重要」という回答は、一般の部は89%、有識者は88%と高い比率を示しており、日米安保体制に対する高い支持が再確認された。

(5)日本のイメージに関しては、今年度は一般の部のみで実施した。「豊かな伝統と文化を持つ国」「経済力・技術力の高い国」「自然の美しい国」「アニメ、ファッション、料理など新しい文化を発信する国」「成長力のある国」といったイメージに肯定的な回答が高い割合を占めた。

(6)今回初めて、有識者に対して、日本は国連常任理事国となるべきかという設問を設けたところ、肯定的な回答は52%であった。

2.調査概要

(1)実施機関:ギャラップ社

(2)実施時期:2007年2月~3月

(3)調査方法:

(イ)「一般の部」は1、506名(18歳以上の男女)を対象に電話調査を実施。

(ロ)「有識者の部」は、学術、ビジネス、政府(行政府及び議会)、宗教、マスコミ及び労働関係の指導的立場にある人物256名を対象に電話調査を実施。

(4)調査の信頼度:

 両部門とも信頼度は95%。サンプル・エラーは「一般の部」±3%、「有識者の部」±6%(同じ規模のサンプルを対象に同様の調査を100回行った場合、そのうち95回は「一般の部」で±3%以内、「有識者の部」で±6%以内の誤差で今回と同じ結果になるということを意味する)。

3.各論

(括弧内の数字は各々前年及び前々年の回答率を表す。主要な質問についてはグラフに推移が示されている。)

(1)対日信頼度(グラフ1参照(PDF)PDF

  • 対日信頼度は、一般の部で74%、有識者の部で91%とどちらも過去最高のレベルとなった。(有識者の部では、過去最高となった2003年と同レベル)

 日本は信頼できる友邦であるとする回答率

一般人:74%(注)(69%、72%)、 有識者:91%(注)(91%、90%)

(注):過去最高

(2)アジアにおける最も重要なパートナー(グラフ2、3参照(PDF)PDF

  • 米国においてほぼ半数が、日本をアジア地域における最も重要なパートナーと見なしている。
  • 近年、中国を選ぶ割合が増加しており、一般の部では、昨年比で1ポイント増加したが、有識者の部では、昨年と比べ、5ポイント減少した。

米国にとりアジア地域の中での最も重要なパートナー(グラフ2、3参照(PDF)PDF

1位:日本
一般人:48%(45%、48%)、有識者:53%(47%、48%)
2位:中国
一般人:34%(注)(33%、26%)、有識者:38%(43%、38%)

(注):過去最高

3位:ロシア
一般人:8%(13%、13%)、有識者:5%(4%、9%)

(3)日米関係

  • 日米協力関係を「極めて良好」ないし「良好」と回答する割合は、一般、有識者の部とも過去最高となった。

(イ)日米協力関係一般を「極めて良好」ないし「良好」とする回答率(グラフ4参照(PDF)PDF

一般人:67%(注)(63%、61%)、有識者:86%(注)(85%、83%)

(注):過去最高

(ロ)将来の日米関係に対する評価(グラフ5参照(PDF)PDF

(良くなる)
一般人:47%(42%、46%)、有識者:30%(42%、29%)
(変わらない)
一般人:43%(44%、42%)、有識者:58%(51%、62%)

(ハ)日米関係改善のために次の方法のうちどれが最も有効と思うか。

「経済・貿易関係の改善」
一般人:36%(36%、38%)、有識者:36%(44%、50%)
「地球的規模問題への協力促進」
一般人:30%(28%、26%)、有識者:29%(27%、28%)
「政治的(安全保障)関係の強化」
一般人:25%(21%、25%)、有識者:26%(20%、10%)
「文化交流の促進」
一般人:8%(12%、9%)、有識者:8%(8%、6%)

(ニ)日米両国民間の相互理解度に対する評価(グラフ6参照(PDF)PDF

(良い)
一般人:36%(38%、36%)、有識者:23%(25%、23%)
(普通)
一般人:49%(45%、47%)、有識者:60%(58%、60%)

(4)日米安保体制への評価

  • 日米安保体制への評価については、近年大きな変化はなく、米国民の大多数が日米安保条約の維持を支持している。

(イ)日米安保条約の維持に対する評価(グラフ7参照(PDF)PDF

(維持すべき)
一般人:87%(85%、86%)、有識者:88%(90%、83%)

(ロ)日本及び極東の平和と安定への日米安保条約の貢献度に対する評価(グラフ8参照(PDF)PDF

(非常に又はやや貢献している)
一般人:77%(71%、72%)、有識者:88%(82%、80%)

(ハ)米国自身の安全保障にとっての日米安保条約の重要性に対する評価(グラフ9参照(PDF)PDF

(極めて又はある程度重要)
一般人:89%(87%、86%)、有識者:88%(88%、82%)

(5)経済・貿易関係

  • 日米間の貿易不均衡の原因については、「米国産業の競争力の問題」「両国のマクロ経済上の問題」「市場アクセス等日本側の問題」の3つの意見の割合が、ほぼ同程度になっている。

日米間の貿易不均衡の主要原因(グラフ10、11参照(PDF)PDF

「米国産業の競争力の問題」
一般人:35%(注)(33%、30%)、有識者:31%(32%(注)、23%)

(注):過去最高

「米国財政赤字、日本の内需等両国のマクロ経済上の問題」
一般人:26%(30%、29%)、有識者:34%(33%、35%)
「市場アクセス等日本側の問題」
一般人:32%(29%、34%)、有識者:30%(29%、36%)

(6)日本の国際的役割に対する評価

  • 日本は経済力に見合った重要な国際的役割を果たしているかとの問いに対しては、約7割が肯定的に回答し、一般の部では過去最高であった97年の69%と同じ水準となった。
  • 分野別では、昨年同様、科学技術と世界経済の分野で高い評価を得た。

(イ)日本は経済力に見合った重要な国際的役割を果たしているか。(グラフ12参照(PDF)PDF

「果たしている」
(有識者については「少しは果たしている」を含む)
一般人:69%(注)(68%、60%)、有識者:70%(74%(注)、69%)

(注):過去最高

「果たしていない」
一般人:25%(25%、29%)、有識者:27%(23%、29%)

(ロ)我が国は次の分野で重要な国際的役割を果たしていると思うか。(数値は「果たしている」と答えた者の割合)

「科学技術」
一般人:67%(65%、57%)、有識者:96%(97%、96%)
「世界経済」
一般人:67%(62%、53%)、有識者:96%(97%、97%)
「文化交流」
一般人:58%(54%、49%)、有識者:68%(76%、65%)
「世界政治」
一般人:44%(48%、38%)、有識者:61%(71%、67%)
「地球規模問題」
一般人:40%(41%、37%)、有識者:64%(73%、69%)
「経済援助」
一般人:34%(36%、34%)、有識者:61%(70%、70%)
「安全保障・平和維持」
一般人:33%(35%、31%)、有識者:43%(45%、39%)

(7)価値観の共有度

  • 日米は価値観を共有していると回答した割合は、英国に次いで、高いレベルを示している。

(数値は「非常に共有」と「ある程度共有」をあわせた値。括弧内は前回、前々回の数字。)

一般人 有識者
国名 割合 国名 割合
英国 85%(77%、83%) 英国 96%(96%、96%)
日本 83%(78%、79%) 日本 94%(96%、91%)
79%(72%、74%) 92%(94%、92%)
62%(59%、57%) 台湾 83%(83%、84%)
台湾 58%(57%、56%) 74%(81%、76%)
52%(57%、59%) 58%(69%、69%)
中国 45%(48%、47%) 中国 45%(55%、50%)
北朝鮮 14%(20%、19%) 北朝鮮 6%(14%、9%)

(8)日本についての情報源

  • 一般の部では、「テレビ」「雑誌・書籍」「新聞」の順、有識者の部では、「新聞」「雑誌・書籍」「テレビ」の順に、日本に関する情報を得ている。
  • 「インターネット」については、昨年に比べ、一般の部で5ポイント、有識者の部で4ポイント増加しており、一貫して増加傾向にある。

日本についての知識及び情報はどこから得ているか。

一般人 有識者
情報源 割合 情報源 割合
テレビ 80%(78%、78%) 新聞 89%(90%、89%)
雑誌・書籍 72%(67%、62%) 雑誌・書籍 83%(89%、85%)
新聞 71%(71%、70%) テレビ 72%(80%、71%)
学校教育 51%(53%、47%) 学校教育 61%(62%、51%)
インターネット 43%(38%、33%) インターネット 60%(56%、50%)
映画 40%(39%、31%) ラジオ 48%(48%、46%)
ラジオ 34%(33%、35%) 日本人の友人 46%(52%、53%)
友人・隣人 29%(32%、30%) 友人・隣人 38%(41%、41%)
日本人の友人 29%(32%、30%) 映画 32%(40%、30%)
訪日経験 12%(11%、12%) 訪日経験 24%(31%、30%)

(9)日本のイメージ(一般の部のみ)

  • 日本のイメージとして、「豊かな伝統と文化を持つ国」「経済力・技術力の高い国」「平和な国」「アニメ、ファッション、料理など新しい文化を発信する国」「自然の美しい国」「成長力のある国」等に多数の肯定的回答が得られた。

(日本の特徴として当てはまると回答した割合。括弧内は前回の数字。)

豊かな伝統と文化を持つ国  95%(94%)
経済力・技術力の高い国  94%(93%)
平和な国  81%(78%)
アニメ、ファッション、料理など新しい文化を発信する国  78%(--)
自然の美しい国  78%(81%)
成長力のある国  78%(--)
国際社会においてリーダーシップを有する国  64%(--)
欧米志向の国  63%(62%)
民主的な国  51%(47%)
不可解な国  48%(49%)
好戦的な国  29%(34%)
警戒を要する国  29%(30%)

(10)日本の国連安保理常任理事国入り(有識者の部のみ)

  • 日本が新たに国連安保理の常任理事国となるべきだと思うかという問いに対し、有識者の過半数が肯定的に回答した。日本が常任理事国になるべきと答えた人の理由として多かったのは、「日本が国際の平和と安全に果たす役割に期待する」(96%)、「日本は信頼できる同盟国であるから」(87%)、「日本は経済大国であり、安保理機能の実効性を強化できるから」(87%)、「民主主義・人権といった価値観を共有するから」(87%)、「日本は国際の平和と安全に貢献しているから」(75%)であった。

日本が新たに国連安保理の常任理事国となるべきだと思うか。

思う  52%
思わない  42%
わからない、どちらでもよい。  6%

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