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米国における対日世論調査(概要)

平成17年8月

 平成16年度の米国における対日世論調査の結果について、主要ポイントは以下の通り。なお、本件世論調査は1960年以来毎年実施しているものである。

1.結果概観

 今回の調査では、全体として良好な対日観、日米関係への評価が示され、ここ数年続いている傾向が維持された。対日信頼度は、有識者部門は過去最高となった昨年の91%とほぼ同じ水準の90%であったが、一般部門においてはここ10年の上昇傾向が続いて72%の回答者が日本を信頼できると述べ、過去最高の結果となった。また、一般、有識者の部の双方において、日米の相互理解度について肯定的に回答する割合が過去最高の結果となった。

 前回と同様、一般人、有識者の双方において、日本をアジアにおける最も重要なパートナーと見なしていることが示された。他方、有識者の部において今回の調査ではアジアにおけるもっとも重要なパートナーとして日本を挙げる割合が減少し(65%→48%)、代わりに中国を挙げる割合が前回の調査より14%も上昇した点(24%→38%)が注目される。昨年度に引き続き、日本は米国民が価値観を共有する国として英国に次ぐ2番目(一般人)乃至、英・独に次ぐ3番目(有識者)に位置づけられた。

 経済面では、日米関係の一層の改善のために経済・貿易関係の改善を挙げるものが、依然多い一方、一般の部では、日米の貿易不均衡の主な理由として「市場アクセス等日本側の問題」を挙げる者の割合の低下が一層顕著となった。日本が経済力に見合った国際的な役割を果たしているかという質問に対しては、有識者の69%が肯定的に回答し、過去最高を記録した。

 日米安保条約については、昨年同様、8割以上が同条約を維持すべきであるとの認識を示し、安保体制に対する高い支持が再確認された。

 日本についての情報源に関しては、昨年に比べ、「映画」と「学校教育」を回答する者の割合が減少した。

2.各論 (括弧内の数字は各々前年及び前々年の回答率を表す。主要な質問についてはグラフに推移が示されている。)

(1)対日信頼度(グラフ1参照)

 日本は信頼できるで友邦であるとする回答率

一般人:72%()(68%、67%)、有識者:90%(89%、91%())

):過去最高

(グラフ1)対日信頼度



(2)日米二国間関係一般の評価

(イ)米国にとりアジア地域の中での最も重要なパートナー(グラフ2、3参照)

1位:日本
一般人:48%(48%、47%)、有識者:48%(65%、63%)
2位:中国
一般人:26%(26%、20%)、有識者:38%(24%、25%)
3位:ロシア
一般人:13%(9%、13%)、有識者:9%(7%、6%)

(グラフ2)米国にとりアジア地域の中での最も重要なパートナー



(グラフ3)米国にとりアジア地域の中での最も重要なパートナー



(ロ)日米協力関係一般を「極めて良好」ないし「良好」とする回答率(グラフ4参照)

一般人:61%()(60%、56%)、有識者:83%()(82%、78%)

):過去最高

(グラフ4)日米協力関係一般を「極めて良好」ないし「良好」とする回答率



(ハ)将来の日米関係に対する評価

(良くなる)
一般人:46%(44%、40%)、有識者:29%(30%、34%)
(グラフ5参照)
(変わらない)
一般人:42%(43%、45%)、有識者:62%(59%、50%)
(悪化する)
一般人:9%(8%、12%)、有識者:5%(7%、11%)

(グラフ5)将来の日米関係に対する評価



(ニ)日米関係改善のために次の方法のうちどれが最も有効と思うか。

「経済・貿易関係の改善」
一般人:38%(42%、35%)、有識者:50%(53%、47%)
「政治的(安全保障)関係の強化」
一般人:25%(25%、32%)、有識者:16%(15%、26%)
「地球的規模問題への協力促進」
一般人:26%(23%、22%)、有識者:28%(26%、22%)
「文化交流の促進」
一般人:9%(7%、8%)、有識者:6%(5%、4%)

(ホ)日米両国民間の相互理解度に対する評価

(良い)
一般人:36%()(30%、28%)、有識者:23%()(22%、19%)
(グラフ6参照)
(普通)
一般人:47%(50%、53%)、有識者:60%(61%、61%)
(良くない)
一般人:16%(18%、17%)、有識者:17%(17%、18%)

):過去最高

(グラフ6)日米両国民間の相互理解度に対する評価



(3)日米安保体制への評価

(イ)日米安保条約の維持に対する評価(グラフ7参照)

(維持すべき)
一般人:86%(85%、87%())、有識者:83%(83%、87%)

):過去最高

(グラフ7)日米安保条約の維持に対する評価



(ロ)日本及び極東の平和と安定への日米安保条約の貢献度に対する評価(グラフ8参照)

(非常に又はやや貢献している)
一般人:72%(72%、74%)、有識者:80%(80%、83%)

(グラフ8)日本及び極東の平和と安定への日米安保条約の貢献度に対する評価



(ハ)米国自身の安全保障にとっての日米安保条約の重要性に対する評価(グラフ9参照)

(極めて又はある程度重要)
一般人:86%(86%、89%())、有識者:82%(83%、84%)

):過去最高

(グラフ9)米国自身の安全保障にとっての日米安保条約の重要性に対する評価



(4)経済・貿易関係

日米間の貿易不均衡の主要原因(グラフ10、11参照)

「市場アクセス等日本側の問題」
一般人:34%()(37%、43%)、有識者:36%(32%()、44%)

):過去最低

「米国財政赤字、日本の内需等両国のマクロ経済上の問題」
一般人:29%(27%、26%)、有識者:35%(41%()、35%)
「米国産業の競争力の問題」
一般人:30%()(29%、23%)、有識者:23%()(23%、11%)

):過去最高

(グラフ10)日米間の貿易不均衡の主要原因



(グラフ11)日米間の貿易不均衡の主要原因



(5)日本の国際的役割に対する評価

(イ)日本は経済力に見合った重要な国際的役割を果たしているか。(グラフ12参照)

「果たしている」
(有識者については「少しは果たしている」を含む)
一般人:60%(60%、56%)、有識者:69%()(65%、62%)
「果たしていない」
一般人:29%(29%、33%)、有識者:29%(35%、36%)

):過去最高

(グラフ12)日本は経済力に見合った重要な国際的役割を果たしているか。



(ロ)我が国は次の分野で重要な国際的役割を果たしていると思うか。(数値は「果たしている」と答えた者の割合)

「科学技術」
一般人:57%(58%、53%)、有識者:96%(96%、96%)
「世界経済」
一般人:53%(53%、50%)、有識者:97%(91%、93%)
「文化交流」
一般人:49%(48%、44%)、有識者:65%(60%、60%)
「世界政治」
一般人:38%(38%、37%)、有識者:67%(62%、60%)
「地球規模問題」
一般人:37%(36%、30%)、有識者:69%(57%、59%)
「安全保障・平和維持」
一般人:31%(31%、25%)、有識者:39%(39%、24%)
「経済援助」
一般人:34%(30%、22%)、有識者:70%(61%、54%)

(6)価値観の共有

 次の国・地域は一般的に言って米国と価値観を共有していると思うか。

(イ)一般人

一般人
国名 共有 (非常に共有) (ある程度共有) 少し共有 共有せず 意見なし
英国 83% (53%) (30%) 9% 4% 4%
日本 79% (24%) (55%) 15% 4% 2%
74% (23%) (51%) 17% 5% 4%
59% (11%) (48%) 29% 9% 3%
57% (13%) (44%) 27% 12% 4%
台湾 56% (15%) (41%) 27% 9% 8%
中国 47% (11%) (36%) 35% 15% 3%
北朝鮮 19% (5%) (14%) 34% 42% 5%

(ロ)有識者

有識者
国名 共有 (非常に共有) (ある程度共有) 少し共有 共有せず 意見なし
英国 96% (78%) (18%) 2% 2% 0%
92% (40%) (52%) 6% 2% 0%
日本 91% (39%) (52%) 8% 1% 0%
台湾 84% (32%) (52%) 12% 2% 2%
76% (24%) (52%) 19% 4% 1%
69% (4%) (65%) 27% 4% 0%
中国 50% (6%) (44%) 39% 10% 1%
北朝鮮 9% (1%) (8%) 23% 66% 2%

3.調査概要

(1)実施時期:平成17年2月~3月

(2)調査方法:

(イ)「一般の部」は、1,500名(18歳以上の男女)を対象に電話調査を実施。

(ロ)「有識者の部」は、学術、ビジネス、政府(行政府及び議会)、宗教、マスコミ及び労働関係の指導的立場にある人物254名を対象に電話調査を実施。

(3)調査の信頼度:

 両部門とも信頼度は95%。サンプル・エラーは「一般の部」±3%、「有識者の部」±6%(同じ規模のサンプルを対象に同様の調査を100回行った場合、そのうち95回は「一般の部」で±3%以内、「有識者の部」で±6%以内の誤差で今回と同じ結果になるということを意味する)。

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