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日米首脳会談の概要

平成22年11月13日

日米首脳会談後の共同発表でオバマ米大統領と握手する菅総理
(写真提供: 内閣広報室)


 本13日午前10時30分から約60分間,菅総理はオバマ大統領と日米首脳会談を行ったところ,概要以下の通り(日本側:前原外務大臣,大畠経済産業大臣,福山副長官,藤﨑駐米大使ほか,米側:ルース駐日大使,カーク通商代表,ドニロン国家安全保障担当大統領補佐官ほか同席)。

会談後,日米双方で「新たなイニシアティブに関するファクトシート」及び「核リスク低減に関する日米協力」(PDF)の文書を発出し,また,日本側からファクトシート「日米同盟深化のための日米交流強化」を発出した(別添)。

1. 日米関係

(1)冒頭

 菅総理から,太平洋を挟んだ多くの国の首脳にAPEC首脳会合に集まっていただきうれしく思う旨述べ,オバマ大統領からは,横浜APECの成功をお祈りする旨述べた。

(2)日米同盟の深化

 菅総理は,最近,日中間・日露間で多少問題が起きたが,米国が一貫して日本を強く支持して頂いたことを感謝する旨述べ,オバマ大統領は,日米二国間関係を強化・深化させようという菅総理の意志を評価する旨述べた。

 さらに,オバマ大統領から,日米同盟を,安全保障,経済,文化・人材交流の三本柱を中心に,深化・発展させ,総理を来年前半に米国に招待し,その機会に21世紀の日米同盟のビジョンを共同声明のような形で示すこととしたいと述べ,菅総理からは,そのための作業を開始することに同意する,米国への招待をうれしく思う旨述べた。

(3)日米安保

 菅総理から,昨今の国際情勢もあり,日米同盟や米軍のプレゼンスの重要性について,多くの国民や地域があらためて認識を深めている,今般在日米軍駐留経費負担(HNS)について基本的な方針の一致をみて大変よかったと思う旨述べ,オバマ大統領から,同盟を新しい時代に即して深化させ,両国民に支持されるものとする必要があり,HNSに関する基本的な方針の一致は大変重要である旨述べた。

 菅総理から,普天間飛行場移設については,5月の日米合意に基づき進めていきたい,自分(総理)自身も沖縄の理解を求めつつ最善の努力をしていきたい旨述べ,オバマ大統領から,総理の決意と取り組みを評価する旨述べた。

(4)経済

 菅総理から,今般,「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定した,その中で「国を開く」という決意の下,高いレベルの経済連携を進めつつ,農業,規制改革等を含む抜本的改革を推進したい旨述べ,オバマ大統領からは,総理の方針を歓迎する旨述べた。

 さらに,菅総理から,日米二国間や環太平洋経済連携(TPP)協定を含むアジア太平洋の貿易・投資等の自由化について,情報収集を含む各国との協議を行っていきたい旨述べたのに対し,オバマ大統領から,そうした協議について,自分(大統領)から担当部局にも強く指示したい旨述べた。

 また,菅総理から,オープンスカイ合意を歓迎し,クリーンエネルギー,イノベーション,超電導リニア等高速鉄道,レアアースの安定的供給などについて協力していきたい旨述べた。

2. アジア太平洋地域

(1)総論

 菅総理から,インドとEPA交渉を完了し,ベトナムとの関係で我が国が原子力発電所建設及びレアアース開発のパートナーとなったこと,韓国やASEANとの関係強化にも努力していることなどに言及し,我が国のアジア外交を説明した。

(2)中国

 オバマ大統領から,中国の経済的台頭を歓迎している旨の発言があり,国際社会の一員として中国の適切な役割と言動が重要との点で一致した。

(3)北朝鮮

 北朝鮮の動向を引き続き注視し,日米,日米韓で協力していくことで一致した。

3. グローバルな課題

(1)国連安保理改革

 オバマ大統領から,改革された国連安保理において日本が常任理事国となることを楽しみにしている,日本は模範的な常任理事国になる資格を有している国である旨述べ,菅総理から,
安保理改革において日本を支持頂いたことに感謝する旨述べた。

(2)アフガニスタン・パキスタン

 菅総理から,アフガニスタン国軍の医療分野での教育訓練について要請があると承知しており,前向きに検討している,パキスタンについては,先日ザルダリ大統領と電話で会談し,更なるパキスタン支援につき表明した旨述べた。オバマ大統領から,アフガニスタン及びパキスタンに対する日本の貢献を評価する旨述べた。

(3)核セキュリティ・核軍縮

 オバマ大統領から,核セキュリティ分野での日米協力を期待している旨述べ,菅総理から,本年,ルース大使が広島及び長崎を訪問されたことを歓迎する,オバマ政権の核セキュリティ・核軍縮分野に取り組む強い意志を感じた,引き続き協力していきたい旨述べた。

 

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