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現状を技術的に分析・検証したところ、現在の設定高度・飛行範囲から、ヘリは緊急の際にも「オート・ローテーション」(空中で動力を喪失しても、回転翼の揚力で安全に着陸できるという特性)によって、飛行場内に帰還を図ることが可能なことを確認。
周辺の地域特性や飛行の実施状況等に関する検証・分析を踏まえ、新たな措置を含む、以下の具体策を提示。
1)市街地上空の通過が短い北東向き出発経路の優先使用
飛行場からの出発については、北東向き経路の方が市街地上空の通過が比較的短く、住民への影響をより抑えることができるため、気象等を考慮しつつ、この経路を可能な限り優先的に使用。
2)南東側の出発・進入における市街地直上の飛行の局限
南東向きの出発及び南東側からの進入についても、市街地の直上は最短距離で通過という基本原則を徹底。
また、旋回範囲をより南側方向に延伸して補正するなど、密集度が特に高い飛行場南側沿い一帯の直上の飛行を局限できるよう、今後、当該経路の通過に際しては、周辺地域の詳細な状況を考慮。
3)北側場周経路近傍物件への航空障害灯の設置
飛行場北側の施設境界線沿いに民間の鉄柱が所在しており、視界不良時における識別が難しい状況にあることから、当該物件への航空障害灯の設置を具体化。
1)管制情報処理システムの導入による管制空域内の飛行安全の強化
普天間管制塔内に国内主要空港レベルの管制情報処理システムを整備し、運用を開始したところ。飛行場管制の効率の大幅な向上によって、管制要員の負荷が軽減されてきており、引き続き、更なる安全の強化に資するよう、これを効果的に活用。
2)フライト・シミュレーターによる飛行要員の技量の維持・向上
飛行場内にフライト・シミュレーターを逐次導入しており、緊急手順等の訓練の積み重ねが可能となっているところ。引き続き要員の技量維持・向上による安全向上のため、これらを一層効果的に活用。
1)飛行場灯火システムの機能向上
飛行の安全確保に重要な航行援助をより確実にするため、PAPI(進入角指示灯)の更新及びREIL(滑走路末端識別灯)の新設を図り、飛行における安全を更に向上。
2)クリヤー・ゾーンの拡充
オート・ローテーション時のより的確な対応を可能とし、安全を向上させるため、場内の不用工作物、樹木群等を除去し、クリヤー・ゾーン(無障害物地帯)を拡充。
飛行運用に携わる全ての要員が、飛行及び住民の安全を最大限にできるよう、各飛行部隊における安全指導を更に強化・徹底。