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日英外相会談(概要)

平成21年9月23日

(写真)


 9月22日(火曜日)午後2時00分より約45分間、国連本部内にて、岡田外務大臣は、ニューヨークにおける第64回国連総会の機会を捉えて、ミリバンド外相と日英外相会談を行ったところ、その概要以下のとおり。

1.二国間関係

(1)ミリバンド外相より、今朝の鳩山総理の演説は素晴らしく、正に主役(star of the show)であったと伺っている、英国全体が政治・経済・文化に亘る英日関係を誇りに思っており、今後強化していきたい旨述べました。
 これに対し岡田大臣より、就任祝いの電話に謝意を表明するとともに、以前より歴代駐日英大使には色々と世話になっていると謝意を表明しました。

(2)ミリバンド外相が外交の優先課題を質したのに対し、岡田大臣より、本年中に優先的に取組むものとして気候変動、アフガニスタン・パキスタン、日米同盟にかかる課題を挙げ、右に加え来年の参院選までの間の課題として中国・韓国・ASEAN・インド等アジア諸国との関係強化、アフリカを中心とする貧困問題への取組みを挙げました。これに対しミリバンド外相より、日本が多くの国際的課題に貢献する重要なパートナーであることを高く評価する旨述べました。

2.北朝鮮

 ミリバンド外相より、北朝鮮の核開発問題に関しては、国連安保理常任理事国として、常に日本と同じ方針で臨みたいとして岡田大臣の本件に関する見解を質したのに対し、岡田大臣より、基本的には核、ミサイル、拉致の三つの課題が解決しないことには国交正常化は考えられない旨述べ、国連決議があるにもかかわらず核実験を繰り返す北朝鮮を断じて容認すべきでなく、安保理を中心に制裁を確実に履行していくことが北朝鮮を交渉のテーブルに引き戻すために必要であるところ、貴外相の協力を求める旨述べました。これに対しミリバンド外相より、日本の立場を強く支持し、今後も緊密に連携したい旨述べました。

3.イラン

 ミリバンド外相より、イランの核開発問題に関しては日本の協力が必要であるとして、イランは国際社会の要求を真剣に受け止めていないが、かかる対応を改めさせる必要がある、その観点から本年12月にIAEA事務局長に就任する天野大使の果たすべき役割は極めて重要である、英としては本年一杯は関与政策を継続するものの、イランの対応によってはより強力な制裁が必要と考えている旨述べました。
 これに対し岡田大臣より、イランを孤立させないことが重要であり、自分は本日モッタキ外相と会うが、おっしゃる点も含め国際社会の声に対して誠実に対応するように話してみる旨応じました。

4.アフガニスタン支援

 ミリバンド外相より、日本によるインド洋における給油支援は非常に重要であり、継続をお願いしたい、無論アフガンでは全てを軍事的に解決することが無理なのは承知しており、経済や政治面での発展が必要であると考えている旨述べました。これに対し岡田大臣より、給油支援については来年一月に延長するかどうかの判断が必要となる、自分は選挙戦を通じて単純延長はないと言ってきた、今後よく検討していきたい旨述べました。
 これを受けミリバンド外相より、国際社会は団結してアフガン問題に取組んでいく必要がある旨述べ、アフガンにおける日本の人道支援についても高く評価している旨述べました。これに対し岡田大臣より、タリバンの力が強くなっている背景には貧困問題があると考えており、タリバン兵士の社会復帰のための雇用創出、職業訓練、就職支援に力点を置くべきと考えている旨述べたところ、ミリバンド外相より、かかる努力を強く支持する、多くの兵士は保守的なパシュトゥン人であり、新生アフガンの中に居場所を与えるべきである旨述べました。

5.ミャンマー問題

 ミリバンド外相より、これまでも日本側と話し合ってきたが、アウン・サン・スーチー女史をはじめとする政治犯の釈放の重要性については一致しているものの、そのための手段については必ずしも一致できなかった旨述べ、英国としてもミャンマーへの人道支援を強化しているが、日本も民主化支援にしっかり取組んで欲しい旨述べました。これに対し岡田大臣より、自分は二年前にミャンマーを訪問し、日本のNGOが農業指導や母子保健指導にあたっているのを視察したが、これらNGOは日本政府の支援も受けていた。このようにわが国の対ミャンマー支援も人道目的中心である。よって日英の取組みには近いものがある。ミャンマーの現政権に問題があるのは事実であるが、圧力だけでなく対話も重要である旨述べました。

6.

 この他両外相は、気候変動問題、国連改革、ODA、子の親権問題、リンゼイ・アン・ホーカー嬢殺害事件を取り上げました。両外相は、今後も日英間で様々な国際的な課題への対応で緊密に協力していくことで一致しました。

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