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平成20年6月8日
6月4日(水曜日)から8日(日曜日)、トルコ共和国より、アブドゥッラー・ギュル大統領が、公式実務訪問賓客として来日したところ、今次訪問の概要と評価は以下のとおり。
4日(水曜日):トルコ・ダンスレビュー公演の視察(於:川崎市)他
5日(木曜日):天皇陛下御会見及び午餐会、「日本・トルコ・ビジネス・フォーラム」、日本記者クラブにおける記者会見、駐日トルコ大使主催大統領歓迎夕食会他
6日(金曜日):日本・トルコ友好議連主催朝食会、河野衆院議長との会談、日本・トルコ首脳会談、共同記者発表、福田総理夫妻主催夕食会他
7日(土曜日):エルトゥールル号殉難兵士慰霊式典(於:和歌山県串本町)、関西経済界代表との夕食会(於:大阪市)他
(1)トルコの国家元首の訪日は、1990年の「即位の礼」の機会を除いて、二国間公式訪問としては1世紀を超える両国の関係において初となる歴史的訪問。
(2)両首脳は、二国間関係強化と国際場裡での協力を柱として、両国間では初めてとなる共同声明を発表した。二国間関係を強化するとともに、国際社会の平和と繁栄の実現に向けて協力していくとの日・トルコ関係の新たな方向性を示すことができた。
(3)両国友好120年の節目に我が国が官民挙げて開催する「2010年トルコにおける日本年」に向けた両国の協力を首脳レベルで確認したことは意義があるもの。また、大規模な経済ミッションが同行し、日本との経済関係強化に対するトルコ側の並々ならぬ意欲が示された。この意欲に応じる形で、初の「日本・トルコ・ビジネス・フォーラム」が盛大に開催された。
(4)ギュル大統領が、1890年にエルトゥールル号遭難事件が発生した両国の友好関係の原点の地となった和歌山県串本町を訪問したことは、両国民間の友好の再確認と相互理解の促進に大いに資するものとなった。
(5)イスラエルとシリアの間接対話の開始を仲介するなど存在感を高めているトルコと、中東和平を始めとして世界の平和と安全の実現に向けて協力していくことで一致した。
(1)首脳会談等では、二国間関係の他、中東和平や地域情勢につき率直な協議が行われた。
(2)二国間関係では、両首脳は、「トルコにおける日本年」の成功に向けて協力していくこと、及び共同声明に基づき、政治、経済、文化を含む幅広い分野で、二国間関係を一層強化していくことで一致した。また、ギュル大統領より、トルコはEU加盟に向けた改革努力の結果、ここ数年著しい経済成長を果たしており、訪日を機に日本との経済関係を更に強化していきたい旨述べた。また両首脳は、2010年を日本とトルコの観光交流年とし、双方の往来を一層増加するために協力していくことで一致した。
(3)中東情勢について、福田総理より、イスラエルとシリアの間接対話の再開を実現したトルコの仲介努力を高く評価する旨述べるとともに、我が国の「平和と繁栄の回廊」構想を含め、対パレスチナ支援で情報共有を進めていきたい旨述べた。ギュル大統領より、トルコは欧州、中東、アジアの接点という要衝に位置し、全ての周辺国と対話ができる唯一の国として仲介者の役割を果たしている旨述べた。また、日本も、中東地域をはじめ、世界の平和と安定のために大変な貢献をし、信頼されている国であり、両国で国際的な諸問題の解決に向け様々な分野で協力していきたいと述べた。その他、両首脳間で、イランの核問題、イラク、アフガニスタンについて意見交換が行われた。