アフリカ

世界地図 アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ

TICAD IVロゴマーク

日・マダガスカル首脳会談、日・中央アフリカ首脳会談、日・マラウィ首脳会談

平成20年5月28日

 27日午後、福田総理とラヴァルマナナ・マダガスカル大統領、ボジゼ・中央アフリカ大統領、ムタリカ・マラウイ大統領との二国間首脳会談が行われたところ、それぞれの概要以下のとおり。

1.ラヴァルマナナ・マダガスカル大統領(13時21分-13時52分)

(1)冒頭、福田総理より、TICAD IVでアフリカへの取り組みを具体的に打ち出し、その成果をG8北海道洞爺湖サミットにつなげていく旨述べたところ、ラヴァルマナナ大統領より、TICADへの2回目の参加ができ光栄である旨述べた。

(2)ラヴァルマナナ大統領より、アフリカにおいて民主化、グッド・ガバナンスがより広まるよう日本の支持を要請する、個人の利害に走るのではなく、国家のために働くことを伝えて欲しい、マダガスカルも以前は政府の行政管理に問題があったが、善処している旨述べた。

(3)また、ラヴァルマナナ大統領より、マダガスカルが取り組むべき課題として、自然災害対策、生物多様性条約の履行、港湾、空港施設拡充が挙げられるところ、日本の支援を要請したい旨の発言があった。これに対し、福田総理より、種々の問題があるところ、事務当局の間で検討させたい旨述べた。また、ラヴァルマナナ大統領は、マダガスカルが食糧価格高騰で苦しんでおり、7万トンの米を購入せざるを得ない、現在、インドネシアとの協力で米の生産性向上に取り組んでいるが、日本にも協力を要請したい、マダガスカルで試験的に進めているミレニアム・プロジェクトも米増産の観点から進めて欲しいと述べたところ、福田総理より、何ができるか別途議論したい旨述べた。

(4)国連安保理改革に関し、福田総理より、今次総会会期中に具体的な成果を得たいと考えているので、マダガスカルの政府間交渉への積極的な参加を要請したところ、ラヴァルマナナ大統領より、国連安保理については、日本の立場を支持する旨、既に国連の場で公言しているので安心して欲しい旨応答した。

2.ボジゼ・中央アフリカ大統領(18時03分-18時24分)

(1)冒頭、福田総理より、TICAD IVで打ち出すアフリカへの取り組みをG8北海道洞爺湖サミットにつなげていく旨述べつつ、TICADを開始した15年前からアフリカの未来への可能性を信じて支援を行ってきた、中央アフリカもこの間、様々な経験を経てきたと承知するが貴大統領のリーダーシップを評価する、今般、貴国の食糧不足緩和のため、3.9億円の食糧援助を決定した、また、中央アフリカの平和と発展に我が国も貢献していきたい、そのために、アフリカの経済成長に向けて政府と民間が一致して協力する体制として今後5年間の対アフリカODAを倍増し、民間投資を倍増する基金を設立する、これらを通じてインフラ整備や保健衛生の向上など、発展の基礎ができるよう今後とも支援していく旨述べた。これに対し、ボジゼ大統領より、今回が初来日だが今次イニシアティブに感謝する、日本が中央アフリカ及びアフリカの弁護人としての立場からG8の場で活躍することを期待する旨述べた。

(2)ボジゼ大統領より、今次訪日の機会をとらえて日本・中央アフリカ関係を強化したい、両国関係は一時期冷却化したものの、今回のTICAD IVの参加を契機に、在中央アフリカ日本大使館の再開、JICAによる技術協力の再開、また、内陸国であることから海へのアクセスへ問題がある中央アフリカにおいてかつて日本が実施した道路プロジェクトに対する支援の再開を要請したい旨の発言があった。これに対し福田総理より、両国関係の活性化のために何が可能か、事務的な協議を積極的に進めたい旨述べた。

(3)ボジゼ大統領より、中央アフリカの立場をご理解頂き感謝する。日本・中央アフリカ関係は前進しており、日本にいつでも協力したい、日本の国連安保理常任理事国入りも支持する旨の発言があった。これに対し福田総理より、安保理改革の進展に向けた協力を是非お願いしたい、中央アフリカが政府間交渉にも積極的に参加して頂けるようお願いしたい旨述べた。

3.ムタリカ・マラウイ大統領(18時25分-18時53分)

(1)冒頭、福田総理より、TICAD IVで打ち出すアフリカへの取り組みをG8北海道洞爺湖サミットにつなげていく旨述べつつ、マラウイでは1964年の独立以来大きな政治的混乱もなく地域の安定に寄与していることに敬意を表し、また多くの青年海外協力隊員がマラウイの発展に貢献していることは喜ばしい旨述べた。さらに貴大統領からのご要望も受け、本年1月には日本大使館を開設した、今後、二国間関係の一層の強化を期待する旨述べた。これに対し、ムタリカ大統領より、初めてTICADに参加でき、非常に喜んでいる、過去のTICADの合意文書を研究したが、今次会議はアフリカにとって極めて重要なものとなると確信している、大使館の開設により両国間の交流がさらに容易になり、プロジェクトの加速化も可能となるだろう、歓迎したい旨述べた。

(2)さらに、福田総理より、正式には明日のTICAD IV本会議で発表する予定であるが、アフリカの経済成長に向けて政府と民間が一致して協力する体制として5年間で対アフリカODAを倍増し、民間投資を倍増する基金を設立する旨伝達し、これらを通じてアフリカ経済が活性化することを期待している旨述べた。これに対しムタリカ大統領より、かかるイニシアティブを歓迎したい、ODAの倍増は今後のアフリカに大きな変化をもたらすと考える、アフリカにとってもマラウイにとっても、資本とリソースを増やしていくことが必要である、民間の重要性に関して総理が述べられたことに完全に同意する、民間セクターが開発を主導しなければならない旨述べた。

(3)福田総理より、マラウイでは一村一品運動の取り組みが進んでいると承知しているが、同運動はTICADでも重要な案件であり、引き続き支援したい、マラウイに対しては3月に食糧支援を、今月にはブランタイヤ市道路網への協力を決定した、また、アフリカにとっても重要な気候変動に関し、横浜宣言及びクールアース推進構想への支持に感謝する、マラウイと共に2013年以降の実効的枠組みを作っていきたい旨述べた。これに対しムタリカ大統領より、マラウイへの支援に深甚なる謝意を表明すると共に、JICAを通じて既に多くのプロジェクトを実施して頂き感謝している、マラウイの目標は持続可能な成長の達成、農業主体の経済の産業化にある、そのためには日本の協力が重要であるため、引き続き支援をお願いする、地方の貧困解消に際して、一村一品運動は統合地域開発(integral rural development)の重要な要素の一つとなる旨述べた。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る