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第4回シリア・フレンズ会合(概要と評価)

平成24年12月13日

  • (写真)第4回シリア・フレンズ会合-1
  • (写真)第4回シリア・フレンズ会合-2

 12月12日(水曜日),マラケシュ(モロッコ)において,第4回シリア・フレンズ会合が開催されたところ,概要と評価は以下のとおり(我が国からは,浜田和幸外務大臣政務官が出席)。

1 会合の概要

  1. (1) 日時:12月12日(水曜日) 10時00分~13時30分
  2. (2) 場所:マラケシュ(パルムレ・パラスホテル)
  3. (3) 議長:オトマニ・モロッコ外相
  4. (4) 参加者:130を越える国,シリア反体制派,国際機関,地域機関,NGOからの代表が参加。(主な参加者:ヘーグ英外相,ファビウス仏外相,ヴェスターヴェレ独外相,ベアード加外相,ダーヴトォール・トルコ外相,ハマド・ビン・ジャーシム・カタール首相兼外相,サウード・アル・ファイサル・サウジアラビア外相,エルアラビー・アラブ連盟事務総長,ハティーブ「シリア国民連合」(NC)議長など)
  5. (5) 本会合の直前に,我が国を含むコアグループ国(G7,アラブ諸国,トルコなど)の代表による朝食会が行われた。

2 議論の概要

 モハメッド6世モロッコ国王のメッセージ(オトマニ外相が代読)により開幕。続いて,ハティーブ「シリア国民連合」議長及びアターシー副議長により,シリアの窮状を救うために国際社会による支援を強く訴えるステートメントが行われた。また,ほぼ全ての閣僚級の参加者によるステートメントが行われた。議長総括(英文全文(PDF)骨子(PDF))における主要ポイントは以下のとおり。次回フレンズ会合はイタリアにおいて開催される予定(時期未定)。

  • 4万人以上の死者,人道・難民危機につき,シリア政権へ暴力を即時停止するよう要請するとともに,全ての側に対して国際人道法を遵守するよう呼びかけ。
  • 地域・近隣諸国へのシリア危機の拡散防止策として,NATOがトルコ国境沿いに迎撃ミサイルを設置することを含めた取り組みを支持。
  • 「シリア国民連合」の設立を歓迎し,「シリアの人々の正当な代表(the legitimate representative of the Syrian people)」であり,シリア反体制諸派の上部組織と認めた(acknowledged)。
  • 生物化学兵器のいかなる使用も,国際社会としての深刻な対応を余儀なくされ得ると警鐘。
  • 11月30日のアジアで初の開催となる東京での第5回制裁WG会合の結果を歓迎。
  • 約250万人の国内避難民及び50万人以上の国外におけるシリア難民に対する国際社会の支援を呼びかけ。「シリア国民連合」内の支援調整ユニット(ACU)と協力し,シリア国内の支援ニーズに迅速に対応していくことに合意。また,同ユニットの活動資金を増強していく姿勢を示した。
  • シリアの復興期に関し,信託基金の設立を含めた準備を行うことの重要性を確認。

3 我が国の対応

 浜田外務大臣政務官より以下のステートメントを行った(英文(PDF))。

  1. (1) 我が国としては,フレンズ会合の一員として,本会合の直前となる11月30日に東京で第5回シリア制裁WG会合を主催,アジア初の開催として初参加を含めた複数のアジア諸国からの参加を得て,これまでで最高となる67の国・国際機関が参加し,シリア体制側へ強いメッセージを発するとともに,シリアの人々に対する連帯の意を示した旨を紹介した。
  2. (2) また,シリア政府による化学兵器の使用の可能性に関して深い懸念を示し,シリア政府に対してはいかなる場合においても化学兵器を含む非通常(ノン・コンベンショナル)兵器を使用せず,可及的速やかに関連国際約束の締結を求める旨表明した。

4 評価

  1. (1) 4回目となる本件シリア・フレンズ会合には,これまでで最大となる130の国,国際機関,NGOなどの代表が参加。
  2. (2) 冬に突入し,シリアにおける人道危機が喫緊の国際的課題となっている中,これほどの多くの国際社会の参加者が,弾圧下に苦しむシリア人に対する連帯の意を一致して示したことは,大変意義の高いものと評価。
  3. (3) また,11月にドーハで「シリア国民連合」が結成されて以来初となる本件会合において,同連合をシリア人の正当な代表として認め,同連合とともに民主的かつ多元的な新しいシリア政府に向け,協力していくことで一致したことなどは,大きな前進。
  4. (4) 更に,我が国が11月末に東京で制裁WG会合を主催したことについては,そうした努力を歓迎する旨が議長総括に含まれるなど,シリア情勢の平和的解決に向けた我が国の努力に対する評価が示された。


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