アジア

世界地図 アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ

日・スリランカ首脳会談(概要)

平成19年12月10日

 12月10日、18時から約1時間にわたり、福田総理とラージャパクサ大統領の首脳会談が行われたところ、概要は以下のとおりです。

1.スリランカの和平プロセス/人権問題

(1)福田総理から、日本とスリランカの両国関係の更なる発展のためにもスリランカ和平が重要であり、軍事的解決ではなく政治的な解決が重要である、権限委譲案の策定が政治対話の基礎となるので、大統領の強い指導力の下で権限委譲案を可能な限り早期にまとめ、LTTEを含む関係者に提示することが重要であると発言。これに対しラージャパクサ大統領から、権限委譲案については、全政党代表者会議においてできるだけ早期にまとめるべく取り組んでいる、スリランカ政府は政治的解決にコミットしており、軍事的解決は政治的解決を代替するものではない、LTTEはこれまで交渉にまじめに取り組んできていないが、LTTEが真摯に交渉に取り組むのであれば、スリランカ政府としても対話に応じる用意があると発言。

(2)福田総理から、明石政府代表を近くスリランカに派遣し、LTTE指導部に対して、和平に真剣に取り組むよう働きかけを行う予定であり、その際にはスリランカ政府の協力をお願いしたいと発言。これに対し、ラージャパクサ大統領から、協力の用意がある、明石代表の役割を高く評価していると発言。

(3)スリランカの人権問題について、福田総理から、スリランカ政府自身の努力により人権が改善されることを期待していると発言。これに対し、ラージャパクサ大統領から、スリランカ政府としては、人権調査委員会を立ち上げるなど独自に人権改善の努力を行っており、その努力に対して国際社会の支援を得たいと発言。福田総理からは、同委員会が具体的成果を上げるよう努力してほしいと発言。

(4)ラージャパクサ大統領から、日本が過去40年間に亘りODAを通じてスリランカの開発を支援したことに対し謝意が示され、引き続き平和と開発に対する支援をお願いしたいとの発言があった。福田総理から、日本はスリランカにおける平和の定着と経済発展に協力していくが、和平プロセスが進んでいないので十分な支援を行うことができないでいる、日本として十分な支援を行うことができるよう状況を改善してほしい、スリランカ東部地域の開発については、法と秩序の徹底、各民族の意思の反映が重要であり、これらを確保しつつ平和の配当を早期にもたらすことが重要であると発言。

2.二国間関係

(1)ラージャパクサ大統領から、福田総理のスリランカ訪問への招請があり、福田総理から良く検討したい旨回答。

(2)経済関係

 福田総理から、「官民合同フォーラム」の立ち上げを提案し、ラージャパクサ大統領の賛同を得た。

(3)文化関係・人的交流

 福田総理から、来年開催予定の「スリランカ文化遺産展」を通じて、日本におけるスリランカへの理解が深まることを期待していると述べた上で、平山郁夫画伯が来年スリランカを訪問される予定であると紹介。また、福田総理から、東部の各民族の青少年も含める形で、スリランカの青少年を今後5年間で500名招聘したいと表明。

3.地域的・国際的課題

(1)気候変動

 福田総理から、「美しい星50」へのスリランカの支持に感謝する旨述べるとともに、全ての国が参加する交渉の場を立ち上げるとのバリ会議における我が国の提案への賛同を求めた。これに対し、ラージャパクサ大統領から、支持できるかどうか検討していきたいと発言。

(2)北朝鮮問題

 福田総理から、北朝鮮問題に取り組んでいると述べた上で、特に拉致問題の早期解決の重要性について説明。これに対し、スリランカ側から、拉致問題について日本の取組に協力していきたいと発言。

(3)国連安保理改革

 福田総理から、日本の常任理事国入りに対して引き続き支持をお願いしたいと発言し、スリランカ側より支持表明があった。

このページのトップへ戻る
前のページへ戻る | 目次へ戻る